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我ながら頑張って言ったと思う。
声はだいぶ震えてたけど。
そしてもう1つ、行かなきゃいけない場所があって、
コンコンとノックして部屋に入ると虚ろな深澤くんと目が合った。
深｢……目黒、｣
目｢言いたいことがありまして｣
深｢なに｣
深澤くんが睨むような目に力がないような顔で俺の事見てる。
まず、1番に言わなきゃいけないこと
目｢……その、俺のせいでこんな事になってすみませんでした｣
頭を深く下げて、本当にこれは俺の責任だから。
深｢……まあ、それは別にいいけど。言いたいことはそれじゃないだろ｣
深澤くんはただお見舞いに来ただけじゃないってことバレてんだな。
目｢……俺、Aさんとお別れしました｣
深｢…は？｣
まるで思ってもみなかったこと言われたかのように目をまん丸と見開いて俺を見るから
目｢プロポーズしたっていうのもAさんの嘘です。俺は…あんたじゃないとあの人の笑顔出せないって思ってますんで｣
深｢A泣いてんの？｣
目｢あんたのことでね｣
驚いた顔のまま何かを考えるように視線を逸らした。
目｢あんたじゃないとAさんが笑ってくれないんで。……退院したら迎えに行ってやってください。すぐ取られますよ。職場の人とかに｣
深｢目黒｣
目｢譲ったつもりは無いっすから。ただAさんはあんたじゃないとダメみたいなんですよね、悔しいっすけど｣
本当に悔しいけど。
目｢ちょっと何やってんすか！｣
そのまま荷物を取ろうとするから慌てて深澤君のとこに行って止める。
目｢まだ入院してる身でしょ｣
深｢早くAのとこ行きたいんだよ｣
目｢翔太くんに取られねーか見張っててもらいますから！落ち着いて！｣
深｢絶対無理！お前みたいにAに何するかわかんねーやついっぱいいるから！｣
目｢そりゃAさんのハジメテは僕が頂きましたけど……ちょっ、暴れないでくださいよ！｣
深｢マジ無理！お前嫌いだから！｣
目｢僕だってあんた嫌いですよ！でも大丈夫なんで！！｣
まだ傷痛むくせに点滴を抜こうとする深澤くんを必死に止める。
ほんっとこの人は何するかわかんねーから…
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作者名：たぁゆぅ
| 作成日時：2020年5月23日 15時
