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side 目黒
Aが俺の呼び方目黒くんに戻ってることももういい。
俺のせいで刺されてしまった深澤くんの病室に花束を持って行くと病室からAの声が聞こえてきた。
深｢俺が悪いってわかってるけどちょっと考え直して欲しい｣
｢……私はもうたつやくんのこと好きじゃない｣
……嘘つくなよ。
クリスマスの日も、あの夜も、ずっと深澤くんのことしか考えてなかったくせに。
あの夜、俺を深澤くんに重ねて俺に抱かれてたくせに。
深｢嘘。顔に好きって書いてある｣
｢え！？｣
深｢……ほら、俺んとこ戻っておいで｣
Aのあんな能天気な声、聞いたことない。
俺には引き出せない声の音色、顔の表情とか
全てこの人にしか見せないのが辛くて。
｢だから私は目黒くんとっ…｣
深｢いてっ…いてて……｣
｢え！大丈夫！？｣
深澤くんも最初からAのこと好きって言えばよかったのに。
俺から見ても俺に取られないように振舞ってたりとかしてたのマジバレバレだから。
深｢大丈夫、｣
遅いんだよ。
｢その使い方はずるい。｣
深｢病人なんだからちょっとくらいずるくてもいいだろ！｣
｢はあ！？もう帰る！！！｣
深｢やだ、｣
病室の中で何が起こってるのかは分からないけど、どんな雰囲気かは大体わかる。
俺の前では年上ぶって楽しそうな声とか出さないのにさ。
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作者名：たぁゆぅ
| 作成日時：2020年5月23日 15時
