Bittersweet【黄】 (ページ10)

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〈あなたside〉

常連のお客様からいきなり告白された。
こんなこと今まで働いてきて初めてだ。

『あんたの言う通りだったね。』

高「ほら、言ったじゃないっすか〜。でも、予想を越えて告白してきましたね！
あれ、なかなか出来ることじゃないっすよ。
俺でもどタイプの女性の店員さんが居っても告れないですもん！！」

『そうなの？』

高「そうっすよ！！先輩の事、本気なんすよ！」

『へぇ〜。ライバル出現だね。』

高「そうなんすよ〜！あの人は手強いっす…。」

なんて会話しながら、高橋と閉め作業を進めていると、ふと高橋が私に聞いてきた。

高「俺は先輩の事、好きですけど、先輩は俺の事どう思ってるんですか？」

『え、何よ。いきなり(笑)』

高「いいから教えてくださいよー(笑)」

『んー。高橋は･･･少なくとも恋愛対象ではないっ！』

高「え、先輩。マジっすか(笑)」

『高橋は弟的存在に近いかなー。ウザイ程ついてくるし、チャラいし、ナルシストだし、、、。でも、たまに可愛いなって思う時もある。』

高「えっ！先輩、弟みたいでカワイイって思ってるって事は!!俺の事が好きっt…」

『好きじゃねぇよ(笑)早く作業終わらすよ！待ってもらってるんだからっ！！』

高「じゃあ！早く話してきたらどうですか？」

めずらしく真面目な顔で高橋が言う。

『え、でも、、、！！』

高「大丈夫です。これくらい俺1人でやっときますから！はよ、行ってあげてください。」

『高橋、、、いいの？』

高「はいっ！俺、先輩の事諦めて先輩の恋を応援しようかなって！
俺じゃ、多分あの人には敵わないっす。
あの人、本気で好きなんやと思いますよ、先輩のこと。」

そう言う高橋の表情は何とも切ない表情だった。

そうだよね。
高橋もあの岩本さんって人も、勇気を振り絞って気持ちを伝えてくれた。私には到底出来ない事をしてくれた。
なら、どんな形であれら気持ちに答えなきゃ！！

『ありがとう。高橋、行ってくる！』

私は仕事の服のまま、店先で立って待っている岩本さんの元まで走った。