Bittersweet【黄】 (ページ6)

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〈岩本side〉

店へ行くとあの人の姿はなかった。

高「いらっしゃいませ。」

俺より若くチャラそうな店員さんだけが居た。

俺はただショーウィンドウに並べられているチョコレートを見るしかなくて、二人の間に沈黙が流れる。

高「今日、居ないですよ。あなたのお目当ての店員は、、、」

岩「え…。」

高「好きなんですか？先輩のこと。」

岩「先輩、、、。」

え、なにこの人。
超能力でもある？

高「あぁ(笑)僕の先輩なんです、あの人。僕も好きなんですよ。でも、全然相手にして貰えなくて、、、。」

そう言って笑う。

高「あ！僕はここの従業員の高橋恭平って言います。ちなみに、先輩は市川みのりって言います。
先輩ね、多分2ヶ月ぐらい接客担当じゃないんです。」

岩「そうなんですか？」

高「はい、一応、ショコラティエなので！新作のチョコレートの時期で忙しいんですよね…。なので、2ヶ月後なら会えると思います！あ！商品買われますか？」

岩「それじゃあ、一応、、、。」

高「あ！そうや！いつもお一人用のBOXの物買われてますよね？
折角なので、僕のオススメでカスタムしても大丈夫ですか？」

岩「え、あ…はい。」

高「じゃあ、、、。これと、、、。はい、どうぞ！！これできっと先輩のこと分かると思います！」

高橋さんはそう言って商品を手渡してくれた。

岩「ありがとうございます。」

高「はい！あっ！先輩の事は渡さないっすから。」

俺は店を出た。
想いも届けていないのに恋敵出現とか…。
ていうか、あの人、応援してんのか敵対してんのかどっちなんだろう…。

でも、思いがけず名前を知れた。

よし、2ヶ月後頑張ろ…。