Bittersweet【黄】 (ページ4)

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〈Your side〉

今日もまたいつも通り接客。

新作のチョコレート、作る時間無いなぁ。

『いらっしゃいませ！』

来店したのは最近よく来る会社員のお客さん。
外見は筋肉質で全然甘党っぽくない。

高「最近、あの人よう来ますね。」

『そんなこと言わないの。』

高「うぃっす。」

チャラくてナルシストの後輩、高橋がそう呟く。

『また来てくださったんですね！』

岩「ここのチョコ、美味しいんで！えっと、、、これ1つください。」

『ありがとうございます！かしこまりました。』

仕事だから愛想良くする。

岩「ありがとうございます！また来ますね！」

『はい、お待ちしております！』

ふぅ、終わった終わったぁ、、、。

振り返ると高橋が不貞腐れた顔でコッチを見ていた。

『何？』

高「いや、何もないっすけど。」

『何も無いんだったら、閉め作業やるよ～』

高「あの人、、、ホンマにチョコ買いに来てるんすかね？」

『は？チョコ買うしかここには用は無いでしょ(笑)』

高「いや、ちゃいますって！」

『何が違うの？』

高「俺、分かるんすよ！絶対にあの人、先輩目当てですよ！！」

『そんな訳、、、』

高「いや、絶対そうっすよ！だって、あの人が店に初めて来たのって…3ヶ月ぐらい前じゃないですか。それでこのスパンでこの時間に来るって、絶対そうっすよ！
先輩。俺…先輩のこと、あの人から守りますね！」

『高橋っ、そんなこと言ってないで手を動かして。私の心配するより、早く仕事覚えな？』

高「もうホンマ冷たいっすね、先輩って…。でも、俺！そんな先輩が好k…」

『黙って作業して。』

高「はぁい、、、。」

後輩に厳しいってよく言われるけど、厳しくしないと仕事を早く覚えてくれない。
特に、このナルシストくんは。

閉め作業が終わり、私と高橋は店を出た。

高「先輩、お疲れ様です！」

『はい、おつかれ～。』

高「あ、先輩」

『なに？』

高「今日、俺が言ったことマジっすか、、、。」

『え、どれ？』

高「最近、よう来るあのお客さんのことですよ。あれ、絶対に狙ってますよ。」

『そんな訳ないって！じゃ！おつかれー』

私は高橋の話を雑にあしらって、家へ帰っていった。