雪男組 (ページ22)

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〈green side〉

今日から授業！
気を引き締めて頑張らないと！！

ホームルームが終わり、授業のあるクラスに向かおうとするとラウールに呼び止められた。

阿「なに？どーした？」

ラ「あのね、、、。思い出したの、昨日の夜。だからね、放課後話しても大丈夫？？」

阿「え、まじ？！わかった。」

俺は思わず大きな声で言ってしまった。

ラ「しーーっ！照くん達には僕から言っとく！放課後の後はアジトね！！」

阿「ごめんごめん笑了解！」

ラ「じゃあね！」

そして、放課後。
誰もいない教室に2人。
俺はパソコンを開き、ラウールと対面で座った。

阿「で、思い出したことって？」

ラ「うん……。あのね？あの時、俺、先生と散歩に行って戻っていたら、後ろに人が着いてきてて、その人と先生が言い合いしてた。
その後、その人が"うわぁー"とか"死ねぇ"とか叫びながらね、包丁を向けてきて、先生が俺を庇って守ってくれて、、、。
んで、その人が逃げた。」

阿「そっか…それで？」

ラ「僕が思うに、犯人は先生に殺意があったんだと思う。」

阿「誰なんだろうね…。先生、殺意を持たれるような人じゃないんだけど…。」

ラ「怖かった、、、。本当に怖かった。」

ラウールは俯き、涙を流して言った。

阿「そうだね。ありがとう、ラウール。えらいえらい。」

俺はラウールの横に座り、ラウールの背中をさすった。
ラウールの話はボイスレコーダーに録音し、パソコンで文字に起こしている。

ラ「ねぇ、阿部くん…絶対、絶対捕まえよ？」

阿「当たり前でしょ？捕まえよう。」

そう言ってラウールの手を握った。

話が終わり、ラウールはリュックを背負って帰る準備をしていた。

ラ「ねぇ、阿部くん。」

阿「ん？どーした？」

教室のドアの前で振り返り、俯いていた。

ラ「やっぱり僕、アジトに行けない。」

そう言うラウールの声には元気がなかった。
俺と話しているうちにまた思い出してしまったのだろう。

阿「そっか。わかった！照には俺からちゃんと話しておくから大丈夫！安心して？ちゃんと休みな？わかった？」

ラ「うん、そうする。ありがとうね、阿部くん。僕が照くん達に連絡したのにごめんね？」

阿「大丈夫、大丈夫！ほら、家でゆっくりしてな？」

ラ「うん、じゃあまた明日……。」

ラウールはそう言って帰っていった。
俺は残りの仕事を終わらせてからアジトに向かった。