楽屋 ページ39
もう、めちゃくちゃ面白かった。ってかほんまにいつ練習したん？ってくらい演技上手いし、あんなセリフ覚えるの凄すぎて。
二十歳には見えない。すごく舞台で輝いてた。
神「ふふ。にやにやして〜」
『いや、佐野晶哉すごい...』
2人で感想を言い合っていると鳴るスマホ。
神「よし、行こっか！」
緊張で、熱くなる顔。うっそ。どないしよう...
バレないように、裏の裏のような場所から回り込んでいくとスタッフさんらしき人が声をかけてくれた。
え、神崎すご。慣れてるし...
ス「聞いてます！案内しますね！」
どうぞ、と言われて開く扉。
「あ！きたきた！A〜！！」
今にも抱きついてきそうな晶哉を止める末くん。なんなん、このさのすえは。
紹介するわ、と末くんが私たちを呼ぶ。
『初めまして！Aと言います！よろしくお願いします！ほんまに！舞台楽しくてその！感動しました！！』
「緊張して〜、可愛いなぁ、ほんま〜」
見下ろす彼をムスッとした顔で見つめると
小「うわ！可愛いっ！」
福「ほんまに年上に見えへんなぁ」
正「こらこら、緊張してはるんやから〜、なぁ？」
こじけん、顔綺麗すぎやし！
ちぇさん、顔可愛すぎやし！
うわ、これがリアコまっさん！！
リ「まぁ、お茶でものむ？」
おかんのような振る舞いに爆笑してしまう私たち。
「僕の！自慢の！彼女です！」
肩を抱き、にこにこな笑顔で言う晶哉
末「はいはーい。お菓子食べる？Aちゃん」
神「あ、これも美味しいやつやで、食べ？」
『ん！ありがと』
「もー！無視せんといてっ！！」
コントのような素晴らしい流れ。なんかこのグループほんまに家族みたいやなぁ。
正「佐野カノさん、ほんまかわいいなぁ」
『へっ？！』
うわっ！リアコだ。ほんまに王子みたいな笑顔やし...
「なぁに口説いてるんですか！！」
正「え〜？口説いてへんよぉ！晶哉と身長差めっちゃあるなぁおもて。」
優しい笑顔で、見つめられるもんやから恥ずかしくて。
「なぁ！Aちょっと正門くんにときめいてるやろ？あかんて！！」
福「出た!リアコNo. 1！」
『これが、リアコなんやなぁ...』
「あかん！戻ってきて！A！」
私の肩を持って戻ってこい！なんて雪山で遭難したかのように揺さぶるから、みんな爆笑していて。初めての楽屋はただただ微笑ましくて、また飲みにいこねーなんて約束をして解散したのでした。
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作者名：環奈 | 作成日時：2022年12月6日 0時
