お試しで ページ4
末「お前ちょっと酔ってるやろ？」
「酔ってへん！ほんまに可愛いって思って。てか少しお酒に頼らんと、その...」
岩「いきなり言うたら弄ばれてるん？ってなってまうんよ、私らの歳やと」
「えっ？俺本気で、、」
神「うん、本気なのは伝わってる」
「俺、もうずっと前からAちゃんのこと好きなんやって」
気まずい。入るタイミングない。
でも彼はなぜ私のことを好きだと言ってくれるのか。今日、初めて会ったのに。
...どこかで会ったこと、あったかな？
神崎に連れて行かれたライブのとき、は会ったなんて言わないだろうし。いや、こんな可愛い子忘れへんよね、会ってたら。
末「Aちゃーん？入ってきてええよ」
「えっ！いたん？！」
どこまで聞いてた？恥ずい！なんて顔を赤める彼。もう、ドキドキさせんといてほしい。
『えっと、その...』
「うわあ！！振らんといて！！わかった！あの、ちょっとお庭！行こ？」
徐に立って手を取られ、お店にある庭という名のバルコニーのような場所に連れ出される。
「急にごめんなさい。色々と」
反省している彼にもう何も言えなくて。
「あっ、寒いよな、これ」
彼の着ていた上着をかけられる。
さすがにそれじゃあ、佐野くんが寒い。こんな細いのに。風邪を引かすわけにもいかない。
1人分空いていた隙間を埋めて隣へ座る。
驚く彼に上着を一緒に羽織らせた。
「うわぁ。それ、やば。」
みるみる赤くなる彼はやっぱり可愛い弟みたいで。
「俺、Aちゃんのこともっと知りたいです」
『うん。...さっきのって』
「付き合って欲しいのもほんま。でも、もっと知って欲しいし俺のこと好きになって欲しい」
真っ直ぐに目を見て想いを伝えてくれる彼が愛おしくなる。
「お試しでいいから、付き合って欲しいです！」
お願いします！と手を出されて、思わず笑ってしまう。
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作者名：環奈 | 作成日時：2022年12月6日 0時
