力がない怒り方 ページ42
．
ッガチャ
音が響く方へ行き目の前のドアを開けると血を流して膝まづいているお兄さんがいた。
『お兄さん！！』
「ば、ばか！っなんで！」
急いでお兄さんの元へ駆けつける。
そんな私を見て怒っているようだがさっき会ったとは違い力がない怒り方をする。
だからか私はお兄さんが血を流す原因になった存在を忘れていた。耳を塞ぎたくなるような叫び声が聞こえ、一瞬で視界が暗くなった。それと同時に温もりを感じた。
'' なんでないのよ！！ ''
'' ふざけないでよ！ ''
暗闇の隙間から見えたのは
どこか様子がおかしい女の人だった。
なんというか、目の焦点があってないおかしな人。
『お兄「黙って」
ッパリン！！パリン！！
．
女の人は棚からガラス皿を出すと色んな方向へ投げた。なんでないの。早く頂戴。私の薬はどこよって叫びながら。
女の人には私の存在が見えていないようで変わらずお皿を投げている。多分だけどお兄さんも見えてないようだった。
．
「いいか、俺が気を引くからお前その間に帰れ」
『で、でもお兄さんが！』
「俺のことはいいから」
『良くないよ！』
．
未だ奇声をあげながら皿を投げる女の人。
部屋の隅でその破片から私を守ってくれるお兄さん。
もし、殺されるならお兄さんじゃなくてこの女の人であって欲しい。私はそう思った。
．
『お兄さん、一つだけ叶うとしたら何して欲しい？』
「…………殺したい。親という魔物を
目の前で奇声をあげている人間を殺したい」
．
．
『お兄さん、私今日誕生日なんだ。』
「え、」
『お兄さんが私の誕生日プレゼントだね。
嬉しい。初めてプレゼント貰っちゃった、
だからね、お礼するね。』
「……っ」
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さやちゃき(プロフ) - #TODAYさん» コメントありがとうございます！頑張ります(^^) (2021年9月18日 14時) (
レス) id: b8693afb9a (このIDを非表示/違反報告)
#TODAY(プロフ) - 内容から書き方まで全て大好きです…！毎回の更新を心から楽しみにしております。これからも頑張ってください！！ (2021年8月8日 12時) (レス) id: 3e33249399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さやちゃき
| 作成日時：2021年8月2日 11時
