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顔に出るタイプ ページ39










これは、どっちだ?
本当のことを言うのか嘘をつくのか








大毅「ちなみにA、
顔に出るタイプやから嘘ついたらすぐわかるで!」









『……わかったって』









どうせ、この男に言ったところで過去は変わらない。
閉じていた訳では無いけど自ら開けようとしなかった昔の記憶をゆっくりと口に出した。


























ーーーーーーーーーーーーーーーー








ーーーーーーー








昔、遠い昔の話。









私は夜になると耳を閉ざした。
昔からよく聞こえたこの耳は
容赦なく汚い言葉や痛い音を拾った。








それは、誰もいない自分の家ではなく隣の家から



















'' なんだ!この点数は!! ''








'' ふざけるな!この馬鹿息子! ''








'' 誰のおかげでこの生活をできてると思ってんだ ''









ほとんど会ったことがない隣の家の人。
いつも夜になったら聞こえる音に耳を塞いだ。







私の両親は家に帰ってくると
お化粧をして、髪をセットして出て行く。
どこに行くのかわからない。









そんな、生活だったから少し変わった耳をもっている私の事なんて両親は気づいていなかったと思う。



















ッガチャ









そして、ある日の夜。
何だか1人が寂しくて家を出た。すると、隣の家のドアが開き学生服を着ている男の子が1人出てきた。当時の私は音のせいで関わってはいけないと思い気づかないフリをした。話もしたことないし、接点もない。ただの隣人だから。









だけど、そのままふらふらとどこかへ向かう男の子が気になって後を追いかけてしまった。
今思えばこの選択肢は間違ってなかった。



















辿りついたのは街でいちばん高い丘だった。
彼はよろよろとそばにあったベンチに腰掛けた。









彼とは身長も年齢も離れているせいで私の疲労は大きかったが何故だか彼を1人に出来なかった。
だから気づかれないようにゆっくりと深呼吸して息と整えた。



















数分後、ゆっくりと立ち上がった彼は
案の定その丘にある柵に手を伸ばした。
その先は高い崖になっていて
落ちたら死ぬことを思い出して思わず声を出してしまった。

















『まって!』








「!?」









私が大きな声で言うとビクッと肩を上げて動きをとめた。そして私の方を見た。









「……隣の家の」

……死ぬの?→←絶賛船酔い中



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さやちゃき(プロフ) - #TODAYさん» コメントありがとうございます!頑張ります(^^) (2021年9月18日 14時) (レス) id: b8693afb9a (このIDを非表示/違反報告)
#TODAY(プロフ) - 内容から書き方まで全て大好きです…!毎回の更新を心から楽しみにしております。これからも頑張ってください!! (2021年8月8日 12時) (レス) id: 3e33249399 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さやちゃき | 作成日時:2021年8月2日 11時

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