待てば海路の日和あり【Daiki】

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「A。おつかい？」



『あ、淳太くん。うん、そうだよ』



「ほら、貸して」











晩御飯のお使いで市場に向かった。






豆腐に味噌、白菜、ついでにキャベツも！と
重たいものばかり母から受け取ったメモには書いてあり
それを全て持った私がよっぽど変な歩きをしていたのか
偶然会った淳太くんが持っていた袋を持ってくれた。








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『ありがとう』



「いえいえ、」









そういえば、淳太くんは休みがあけ
都心に帰ったと聞いていた。







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『淳太くん、どうしてここに？』



「あぁ、今うちの会社
リモートワークを推奨していて、

家で仕事しててもつまらないから
島に帰ってきた。


島に帰ったらAもいるし、ね」











リモートワーク、
確か家で仕事をすることだよね。








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『そうなんだ、じゃぁ、当分こっちにいるんだね』



「そう、だから沢山会おうな」



『え、』



「Aは鈍感だから伝わるように行動するって決めたんだ」










そう言って何も持っていない手で私の手を握る。










ブランド物の服を着てスタイルのいい淳太くんが
ジャージ姿の私の手を握っていることが
何だか恥ずかしくなって手を引こうとするも
強く握られていた離れない。







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『淳太くん、どうしたの？』







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「ほんま、鈍感すぎ」





『……ん？』





「A、好きやで」

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