待てば海路の日和あり【Daiki】

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『んー、』










少ない荷物を片付け、
下を向いていた体を上に向け伸ばすと
何時間も同じ体制で作業していたせいか
ボキボキと聞きなれない音がし、
自分の年齢を考えさせられる。










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今年で27の歳になる。
ホントだったら結婚してるはずだったのに










『あー、やめやめ。』









あんな男もう忘れてやるって思ったのに
2年という長い時間が私を縛り付ける。








それがまさか浮気されてたなんて
全然気が付かなかった。










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『……何しよう』









10年振りに入った部屋に落ち着かなくなり
立ったり座ったりしていたが結局落ち着かず
外に出て散歩でもしようとまた立ち上がった。










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『お母さん、ちょっと出かけてくる』












部屋の奥から返事が聞こえ
玄関に置いてあった母のであろうサンダルに足を通した。











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やっぱり変わってないなぁ、
うっすらと覚えていた道を歩くと
目の前に真っ青な海が見えてきた。











田舎臭くて嫌だった島暮らしの中で
唯一自慢できるのがこの海だった。
母に怒られた時や赤点とった時、寂しかった時
この海にはお世話になっていた。












久しぶりに味わう砂にテンションがあがり
気づけばサンダルを脱ぎ捨て海に向かった。

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