待てば海路の日和あり【Daiki】

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あんなに大好きだったはずなのに








今はなぜだか恐怖を感じる。








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顔をあげればやっぱり声の持ち主は元彼で
その隣には私より少し身長が低い女の人が立っていた。








「誰、この女」



「あ、……いや元同僚」



「ふ〜ん、」











私を下から上へジロジロと見て
彼の腕に抱きつく女の人。







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「元気だった？」



『……』



「無視？何この女、口ないの？」











ヘラヘラと私の顔を覗き込んで質問してくる彼と
その横で馬鹿にするような笑いをしている女に
怒りが湧いてくる。










元気だったじゃないわよ。






よく、話しかけれるよね浮気してたくせに










……なんて私が言えるはずもなく
下唇を噛み締め拳を握ることしか出来ない。








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早くこの場から居なくなって欲しい









こういう時に限って弱くなる自分で嫌いだ。










動くことが出来なくなった体を無理やり動かそうとするが
全然言うことを聞いてくれない。









その間にも彼とその女は言葉で私を陥れる。









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「やば〜い、この女」



「会社でも変わったヤツだったんだよ。」



「だろうね！え、なんか震えてるよ」



「ほんとだ、どうした？」



「かずくん、心配したあげるとか優しすぎ！」













会社でもってそんな事思ってたんだ。
知らなかった。









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こんなやつの事引きずってたなんて
自分が馬鹿みたい。

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