待てば海路の日和あり【Daiki】

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母「ねぇ、ちょっと
おばあちゃんの家に行って来てくれない？」




『おばあちゃんの家って確か』




母「そう、東京ね」










そう簡単に言ってくれるな母よ。









おばあちゃんの家にはもう長らく行っていない。






理由は簡単でうちのおばあちゃんは旅行が大好きで
全国各地を飛びまわる元気っぷり
だから、中々会える機会がなかった。









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『って事は島を出ないといけないの？』









そう言うとみるみる母の目が大きくなった。









母「あれだけ島を出たがっていた人間の言う言葉！？」




『 …… 』







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母「いいから、行ってきて！

お母さんだって行きたいけど
用事があっておばあちゃんが家にいる日だけ行けないから」



『えー、』



母「文句言ってないで行くこと！」










幼いころはおばあちゃんの家に行くのが
唯一の楽しみだった。
だって、おばあちゃんの家の周りには
キラキラしたお店がいっぱいで
どこへ行っても何をしても楽しかったから









けど、今はあれだけ出たがっていた
島を出るのが不満でしかたがない。







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母に抵抗することも考えたが
何もやってないでしょと
言われたら何も言い返せないのはわかっているから
いやいや承諾し、行くことにした。

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