雨のち晴れ稀に恋⑵ (ページ6)

今日:24 hit、昨日:24 hit、合計:149,974 hit

また胸が痛くなったページ6

．

ほんと、ほんとに一瞬の出来事だった。
誰かがAの名前を呼んで
その瞬間、Aは顔を真っ青にし走り出した。

｢……っはは、こんな所で会えるとは｣

気持ち悪い笑みを浮かべる男が
Aに一体何をしたのか分からなかったが
ぶん殴りたい気持ちになった。
……がそれより走り出したAの後を急いで追いかけた

．

ホシ達が楽屋から出ていったことを確認し
Aに話しかける。

JH｢A、｣

俺の声に分かりやすく肩に力が入り
上手く呼吸が出来ていない。
すぐさま近くにあった袋を取りだし
Aの口元へと当てる。

『っは、っは、……っ』

JH｢大丈夫だ、大丈夫。
……俺はジョンハン、わかるな？｣

『……ふー、っは、っは』

袋を一生懸命に吸う事で意識が戻ってきたのか
俺に伝えようと頷いてくれるから大丈夫だと伝える。

JH｢ここには俺とAしかいない。
そうだ、ケンチャナ、ケンチャナ｣

『……っ、…っ負けたく……っない』

JH｢あぁ、わかってる。背中触るからな｣

Aに自分がする行動を伝えて
触れるとさっきまでの驚きは無くなったが
まだ小刻みに震えている。

一瞬で過呼吸を起こすぐらいの人物。
俺が知る限り、
Aにトラウマを作ったアイツしか考えられない。
話では聞いていたが顔を見たのは初めてだった
社長に聞いて見ておくべきだったと後悔が押し寄せる。

背中をゆっくりさすると
一生懸命息を吸おうと呼吸をしていることがわかる。
この小さい体でどれだけのストレスを抱えていたのだろうと
また胸が痛くなった。

．

JH｢……｣

『……ん、スースー』

俺の膝で寝るAは苦しいのか
時々うなされながら目を瞑っている。
過呼吸で疲れたのか気を失うように
寝てしまったAを起こさないように
座った俺は上着を脱ぎ、Aに掛けた。

ッピコン

チェスンチョルAケンチャナ?

チェスンチョルホシから聞いた

チェスンチョル落ち着いたら連絡くれ

チェスンチョル外で待ってる

ジョンハン今、A眠ったから起こさないように入ってきて

ジョンハンとりあえず、マネヒョンに連絡して病院に連れていく