【番外編】ホシとウジの関係 ページ39
．
HS｢やー、｣
俺の存在なんてないように横で作業する親友に
声をかけるがいつも通りスルーされる。
長年そばにいる俺は知っている。
聞いてないようでちゃんと聞いているこの耳を
HS｢このままでいいのか？｣
WZ｢なにが｣
HS｢なにって……｣
ぶっきらぼうに返ってきた返事。
気づいてないふりをすればいいんだろうけど
そしたらこの男の本音は二度と聞けない気がするし
俺の性格上気付かないふりなんてできない。
HS｢Aヌナの事だよ｣
だからこうやって空気を読まずに声に出した。
そして、その声にタイピングの音が止まった。
．
HS｢いいのか？このままで｣
WZ｢……｣
HS｢もちろん、ジョンハニヒョンとヌナが
幸せなのは嬉しいけど……そしたらお前が｣
WZ｢っふ｣
HS｢笑うなよ、俺は真剣に｣
WZ｢……お前に気づかれると思ってなかったよ｣
そう言い乾いた声で笑うから
あまりにもその姿が楽しそうだから
今度は俺が止まった。
WZ｢いんだよこのままで｣
HS｢言わないのか？｣
WZ｢俺が臆病だから
直接は言えないことはお前も知ってるだろ。｣
練習生の頃からこいつの拠り所はヌナだったし
それはデビューしてからも今も変わらない。
その気持ちが温かいものだったことは
最近理解出来たけれど、今の気持ちが分からない。
HS｢……｣
WZ｢それに俺は伝えてる｣
HS｢へ？｣
WZ｢たぶんあのヌナは気づいていないだろうけど｣
遠くを見つめていた視線をパソコンの画面に戻すから
同じように視線を向けると
次のアルバムの為に書いている作詞が目に映った。
そうだ。こいつはずっと伝えてたんだ。
俺らが知らなかっただけで
誰よりも丁寧に綺麗に真っ直ぐに。
HS｢チンチャ、不器用だな｣
WZ｢……るさい｣
HS｢わかったよ。誰にも言わない｣
WZ｢……｣
HS｢その代わり、新しい曲頂戴♡｣
WZ｢やー！近づくなよ！｣
嫌がる親友を強く抱き締めれば
本気で逃げようとするからそれがまた面白い。
しょうがないからこのことは
俺とお前だけの秘密にしといてやるよ
．
ｯｶﾞﾁｬ
『あ、え……どうぞ続けてください』
HS｢ヌナ！アニ！ちがうから！！｣
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作者名：コンジョン
| 作成日時：2023年2月8日 20時
