雨のち晴れ稀に恋⑵ (ページ30)

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【番外編】シュアのお仕事ページ30

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JH｢は？……今なんて言った？｣

目の前の親友は大きな目を開け
僕の言うことが聞き取れなかったみたいに言ってくるけど、
僕は知ってる。この言葉が
＂お前自分がなんて言ったか分かってるのか？＂
という意味だってことに

．

JS｢だから、次Aを泣かせたら貰うって言ってんの｣

JH｢貰うってお前｣

JS｢好きな女の子、泣かせて馬鹿なの？｣

JH｢泣かせた？いつ？｣

JS｢そんなことも知らない奴にAは渡さない｣

JH｢……｣

僕の言葉に黙り込む親友に少しイラッとした。
助け舟を出そうと思ったけど
コイツがこんなんじゃAが可哀想だ。
僕だったらこんな思いさせない
…なんて奥底に秘めていた感情がでてくる。

だけど、Aはきっと僕じゃないんだ

JS｢ジョンハン、そろそろ覚悟決めな｣

JH｢……わかってる｣

JS｢じゃないとほんとに貰うから｣

ジョンハンは気づいている
誰も知らない僕の秘めた想いに。

傍で見てきた彼女はいつでも僕の中心にいた。
笑っていたら嬉しいし悲しんでいたら助けたくなる。
無理して頑張るくせに泣き虫で
守ってあげたくなる彼女がとても好き''だった''
そう言える日はまだ先なのかもしれないけど

今は目の前で悩んでいる親友の背中を押してあげることが
僕の仕事のような気がする。
彼女が大切なように
僕にとってこの馬鹿も同じように大切な仲間だから

JS｢ほら、今日もきっと練習室で寝てるよ｣

JH｢シュアや、｣

JS｢いいから、行きなって｣

JH｢ありがとう｣

JS｢うん……あ、ジョンハナ｣

JH｢？｣

JS｢Aは僕みたいな人がタイプらしい｣

だけど、ちょっとだけ意地悪させて
少し悔しいから

僕の言葉に部屋を飛び出して行った
親友の背中に向かってグーパンチを残す。
絶対に幸せになれってね

JS｢チンチャ、世話のかかる2人だね｣