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祐也Side
5時間目の授業が終わり一度職員室に戻ると、可愛い可愛い妹が、担任である松岡先生と話していた。
良かった、1時間だけだけど来れたんだ。
だけど、生憎Aのクラスの6時間目は、体育館での体育。
当然、今日は参加はできないし、体育館がかなり冷えていたから見学すら厳しいだろう。
Aは体が冷えると、痛みが出たり体が硬直したりしちゃうから。
可哀想だけど、保健室の山下先生のところで自習だな。
素直に聞いてくれますように、と願いながら、職員室を出ていこうとするAに、声を掛けた。
「A良かったね、学校来れて。」
「うん！」
あぁ、この笑顔を壊したくない。
「次の時間なんだけど、2-Aは体育館で体育なんだよね。
で、今日は体育館が寒くて、見学してるうちに体冷えちゃうと悪いから、保健室で自習してて。」
「えー…」
ほら、やっぱり。不満そうな顔してる。
というか、先生の言うことちゃんと聞こうよ。
まぁ、それに関しては俺もとやかく言えた口じゃないけど。
「シゲからも体冷やすなって言われてるでしょ。
それに、貴にぃとムリしないって約束もしてんじゃないの？」
「はいはい。分かりましたぁー。」
と、ものすごく不満そうに言うことを聞いてくれたことに安心した5分後…
・
なぜか体育館には友達と楽しそうに雑談しているAの姿が…
いや、楽しそうなのは俺も嬉しいんだけどね？なんでいるの？っていう。
「Aー。保健室行くんじゃなかったのかー？」
「まぁまぁ、マズいと思ったら行くからさ。ね？」
「もう…約束だからな。
もしそれで具合悪くなっても、俺は庇わないよ？」
「へーきへーき。ほら、チャイム鳴った。」
こういうところ、俺とAは似ているとにぃ達が言う。
ほんとに大丈夫なのかとは思いつつも、チャイムが鳴ったから授業を始めない訳にはいかない。
せめて少しだけでも寒くないようにと、着ていたウィンブレを貸してやった。
男物の服を女の子が着てるのって可愛いよなー。写真撮りたい。
って、そんなこと言ってる場合じゃない。
授業授業っと。
今日の授業はバスケだ。
生徒に混じって、Aも楽しそうに応援している。
そりゃ、こんなに楽しいなら保健室なんて嫌だよなぁ。
指導しながら、時々Aに大丈夫か聞きながら、授業が終わった。
結局、Aはずっと体育館にいた。
しかし、終了後に友達と一緒に教室に戻ろうとする足取りは、かなり遅い。
これはかなりマズそうだ。
言わんこっちゃない。
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作者名：かもみーる | 作成日時：2020年1月24日 21時
