私は英雄の家に居候しています。 (ページ8)

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7話ページ8

「はぁ...訳ありだということは理解しました。それで？その子をそこまで心配しているのは何故ですか？何か理由があるんでしょう？」

「ま、とりあえず中に入れ。玄関で話すことじゃない。」

「...それもそうですね。では、お邪魔します。」

どうしよう...とりあえずリビングに行くか。そうだ、何か飲み物を...ってウラルさんの義体って飲食できるのかな？そんなことを考えていると、英雄さんが私の紹介を始めた。

「こいつはAって言って、いろいろあって街をふらふらと彷徨ってたのを拾った。あとと、こいつ男性恐怖症だから突然近づいたり、背後に立ったりはしないでやってくれ。」

「男性恐怖症って...私がいて大丈夫なんですか？人間ではないですけど、義体は一応人型ですから。」

「本人が頑張って慣れるって言ったから、俺はこいつの意思を尊重しようと思ってな。そろそろ男性恐怖症も克服してほしいし。」

克服するのは無理だなぁ。というか、ウラルさんに飲食できるか聞きたかったんだけど...何か聞きづらい雰囲気になってしまった。

『...あ、あの、その義体は飲食可能ですか？』

「え、あ、はい。一応は出来ますが、あまり多くは出来ませんね。」

『ありがとうございます。ではお茶を出しますね。少し、お待ちください。』

はぁ...何かめっちゃ緊張した。とりあえず準備するか。

「...本当に男性恐怖症なんですか？話しかけてくれましたけど。」

「あぁ、俺が拾ってからあいつが仕事以外で家を出たところを見たことがない。それほどには重症だな。だから、今のお前とのやり取りは奇跡に近いぞ。」

「そうなんですか。大変ですねあの子も。というか、あの子仕事しているんですか？一体いくつなんですか？」

「あいつは18だ。仕事もしてる。」

「仕事は何を？」

「それは本人から聞け。俺の口からは言えない。それに詳しいことは知らないし。」

「あなたの口からは言えないような仕事なんですね。それ、本人に聞いても教えてくれないのでは？」

「まぁ、そうだろうな。というか、まずあいつがお前に慣れないことには話にならないけどな。」

『お待たせしました。どうぞ。』

お茶を準備してる間、何を話してたんだろう。まいっか。私は早くウラルさんに慣れないと話にならない。
これから一緒に暮らすんだから。

こうしてウラルは居候としてこの家に住むことになった。