5話 ページ6
私の話を聞き折るや否や、英雄さんは号泣し始めた。
『あらあら、英雄さんが泣いてるのを見れるなんて、レアだなぁ。よしよし、たくさん泣け!泣いてすスッキリしろ!ほら、よしよし。』
英雄さんは泣き続けた。よほど堪えてたのかな。今日はいっぱい甘やかそ。それにしても英雄さんがここまで肩入れしてたなんてなぁ。私もそのAIに会ってみたいな。
「...ありがと。もう大丈夫だ。落ち着いた。...なんだよ、いい加減頭撫でるのやめろ。」
『はいはい、落ち着いたようでよかったよ。』
「なぁ...まだAに話しときたいことがあるんだが...いいか?」
『ん。いいよ。どんな話?』
「実は、あいつを逃がしたときにこの家の住所を教えたんだ。行く当てないんじゃないかと思ってな。...もし、あいつが家を訪ねてきたら迎えてやってくれないか?」
『あぁ、そんなこと?もちろん喜んで迎えるよ。それに私も会ってみたいなぁって思ってたしね。そっかぁ、そのAIも英雄さんに救われたのかぁ。もし家にきたら、居候が2人になるのかぁ。楽しみだな。』
「あぁ...その、AIについてなんだけどな。義体の性別.....男なんだ。」
......マジ?え、どうしよう。無理かもしれない。でも義体なら大丈夫か?でも最近の義体って人間とあんま大差ないしなぁ。慣れるか?慣れるよう、努力するしかないのか?
「おい、眉間にしわよってるぞ。その癖、昔から変わらないな。まぁ、無理なら言ってくれ。元々、俺が勝手に住所教えたんだからな。」
『...ううん、大丈夫。頑張って慣れるよ。それに、この家が居場所になってほしいしね。』
うん、頑張って慣れよう。まぁ、AI君がここに来ればの話だけど。
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英雄さんはAさんが男性恐怖症であることを知っています。男性恐怖症になってしまった経緯とかもAさんから教えてもらいました。そのため、Aさんに突然近づいたり、背後に立ったりとかはしないようにしています。ちなみにAさんは英雄さんに対しては恐怖を抱いたりとかは出会った時点からありませんでした。
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作者名:きなこもち | 作成日時:2023年12月31日 15時