17話 安堵 ページ18
秘密を知られれば、今までの関係がなくなってしまうと思っていた。よかった。なくならなくて。
私は嬉しさと安堵のあまり、二人に駆け寄り、抱きついた。
「おわっ!?」
「うわっ!?」
二人が似たような声を上げる。
「いきなり、どうしたんだよ。驚くだろ?というか、さっきから驚いてばかりなんだけどな。」
「どうしたんですか?まさか...何か思い出したり...」
『してないよ。ただ、安心したのと、嬉しくて。何かこうしたい気分になったの。』
「なんだ、甘えたくなったのか?お前が甘えてくるのは初めてなんじゃないか。」
「そうなんですか?それならたくさん甘やかしてあげましょうね。よしよし、いい子ですね。」
英雄さんは頭を、ウラルは背中を撫でてくれる。何か幸せだなぁ。あの時からは、考えられないくらい幸せだ。
...何だか、眠くなってきた。ヤバい、瞼が重い。
『ごめん。何か...眠く...なってきた...』
「おやおや、可愛いですね。そのまま眠ってしまいなさい。」
「そうだな、疲れただろ?そのまま寝ちまえ。」
『でも.....部屋の片付け......しない...と....』
「片付けなら俺達がしとくから気にすんな。」
「ええ、今はゆっくり休んでください。」
『んぅ....わかった....ブルーシートは.....捨てていい....』
「はいはい、わかったからもう寝ろ。おやすみ。」
「おやすみなさい」
『おや...す..み.....』
ここで、私の意識は途絶えた。
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作者名:きなこもち | 作成日時:2023年12月31日 15時