12話 理解不能 ページ13
『ふふ、お褒め頂き光栄です。さて、じゃあリビングで話そうか。』
英雄さんとウラルさんに向かい合うようにして座る。
さて、どこまで話そうかな。詳しく話してもいいんだけど、説明が面倒なんだよなぁ...英雄さんにも教えてないこともたくさんあるし。
「それでは約束通り、Aさんの仕事について教えていただけますか？」
『わかった。私の仕事は殺し屋とこの家の用心棒、まぁ英雄さんのボディーガードだね。』
...わぁ、ウラルさん固まっちゃった。こりゃ質問攻めに合うかな？英雄さんも呆れた顔してるし。てか、あなたは知ってるでしょ。
「.....想像を遥かにに超える仕事ですね....ですが、どれだけ調べても情報が出てこなかったことには納得がいきます。」
『あはは。調べたんだ？戸籍すら出てこなかったでしょ？
まぁ、私が捨てたんだけどね。だから、世間的に見れば私は幽霊とほぼ同じような感じだよ。』
「...それは、仕事のためにですが？」
『...どうでしょう？まぁ、仕事上では邪魔になる情報だけどね。』
「あなたからは、その、とても想像できません。この人には何と言って説明したんですか？」
『今話したように説明したよ。もちろん戸籍のこともね。』
「あなたは納得したんですか？」
「...まぁ、俺には手出しできなかったからな。立場的に。だから了承する条件として、この家の用心棒をしてもらうことにしたんだ。」
『あぁ、依頼は選んで受けてるよ。善良な人間を殺したくはないからね。』
「殺してることには変わりねぇけどな。」
『まぁね。ただの殺しの依頼もあれば、死ぬのを手伝ってほしいとか、殺してほしいっていうものもあるかな。』
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作者名：きなこもち | 作成日時：2023年12月31日 15時
