めがねのまほう《二人でデート編》５ ページ44
博物館は週末という事もあり、なかなか人で溢れていた。
言った通りチケットを買いに行ったAを待っていた喜多見だったが、彼の手にはちゃっかり入口で借りてきた展示物に関する音声ガイド案内が収録された機器がある。
最後の一台だったそれはきっと、知らなかった知識を与えてくれる筈だ。
「喜多見先生、お待たせしました！これ、チケットです。」
「ありがとうございます。」
入場した途端、張り詰める空気は博物館ならではのもの。心地よい静寂の中、喜多見はAに機器を手渡す。
「先程、唯一残っていた一台をレンタルしたんです。良かったらAさん、使ってください。」
「でも、喜多見先生。折角ですし先生もガイド聞きませんか？」
「俺は大丈夫ですよ。」
喜多見はそう言うが、せっかく同じ物を見るならば楽しみは共有したい。Aは少し悩んだがイヤホンの片方を喜多見に差し出すと、もう片方を自分の耳に装着する。
「その……イヤホンは片方あれば、ガイドは充分聞けますから。喜多見先生も一緒に聞きましょう？」
Aから差し出された片割れのイヤホンを掴む喜多見。その際に一瞬触れた指先の熱は、想像以上に熱くて……。
「ありがとうございます、Aさん。…では、お言葉に甘えて。一緒に聞きましょうか。」
「っ、はい。」
Aとの身長差を補う様に少し屈む彼。
再生ボタンを押せば聞こえ始めるガイドだったが、Aは耳に入ってくる音声より自分の心音の方が大きい気がした。
End…(続く)
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カシオレ(プロフ) - exさん» はじめまして！コメントありがとうございました！励みになります。近々、めがねの続きをアップする予定ですので、これからもよろしくお願いします。 (2021年10月2日 17時) (
レス) id: 4f6cb09541 (このIDを非表示/違反報告)
ex(プロフ) - めがねの続き気になります！更新頑張って下さい！ (2021年10月2日 15時) (レス) @page10 id: 905bf9a542 (このIDを非表示/違反報告)
カシオレ(プロフ) - 。さん» ご指摘ありがとうございます！不明な点などあり、未熟ですが、これからもよろしくお願いします。 (2021年9月22日 19時) (レス) id: 4f6cb09541 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カシオレ | 作成日時：2021年9月22日 14時
