洗いたてのシーツ３ ページ3
そんな事を考えていれば、最後の一枚となった洗濯物。それは喜多見のMERの上着で、広げてみたらやはり大きい。
白を基調としたこれを着て、彼は颯爽と危険な場所へ走り命を救っている。町医者として働く自分には目まぐるしく変わる現場で医療を提供するなんて到底出来る自信はないし、それを最前線でやってのける彼の行動には尊敬しかない。
「……やっぱり喜多見先生はすごいですね。」
「……？どうかしましたか？Aさん。」
「あ…いいえ。この上着を着て患者さんを助ける喜多見先生は、格好良くて凄いなって思って。」
「そう言ってくれるのは嬉しいですが、俺はAさんを尊敬していますよ。」
「私ですか？」
「患者さん一人一人に丁寧に向き合って治療している貴女は素敵ですし、患者さんも嬉しそうに貴女に話をしている。Aさんの診療所はあたたかいですから。」
彼はそう言って軽くAの髪を撫でる。
微笑む彼の手も言葉も、心地良くて幸せだ。
「救命救急ばかりが求められる医療じゃありません。貴女の優しい医療を求めている患者さんは大勢います。」
「っ…ありがとうございます、喜多見先生。」
「俺は本当の事を言っただけですよ。……それより、」
ずい、と近付く彼の顔。
突然縮まった距離にAの顔に熱が集まる。
「Aさんは、何時になったら俺をちゃんと呼んでくれるんです？」
「はっ、はい？！」
「今日会ってからずっと"喜多見先生"としか呼ばれていないんですが。医学会の席でも病院でもないのに、俺を名前で呼んでくれないんですか？」
「うぅ……それは、つい癖で呼んじゃうんです。すみません。」
「なら、その癖は直しましょうか。」
そう言うと、笑顔で自分とAの姿を外部から隠すように勢いよく持っていたシーツを宙へ広げる喜多見。彼が青空に広げた綺麗な白に魅入ったAだったが、刹那、彼女の唇に熱が灯る。
一瞬で離れたそれが、彼からのキスだと気付いたのはすぐで、只々、瞬きしか出来なかった。
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カシオレ(プロフ) - exさん» はじめまして！コメントありがとうございました！励みになります。近々、めがねの続きをアップする予定ですので、これからもよろしくお願いします。 (2021年10月2日 17時) (
レス) id: 4f6cb09541 (このIDを非表示/違反報告)
ex(プロフ) - めがねの続き気になります！更新頑張って下さい！ (2021年10月2日 15時) (レス) @page10 id: 905bf9a542 (このIDを非表示/違反報告)
カシオレ(プロフ) - 。さん» ご指摘ありがとうございます！不明な点などあり、未熟ですが、これからもよろしくお願いします。 (2021年9月22日 19時) (レス) id: 4f6cb09541 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カシオレ | 作成日時：2021年9月22日 14時
