頑張る君に、幸運を。５ ページ20
MERの医局を出た音羽は、病院の廊下を歩いていた。
今日は珍しくこれから官僚としての仕事はなく、厚労省へ戻る事もない。
それもそうだろう。なんせ、音羽本人がわざわざスケジュールを調整したのだ。理由は一つ。長い付き合いである同期、Aがある役目を任されてから一年だからだ。
本人は全く覚えていないようだが、日頃忙しなく頑張る彼女をたまには労ってやりたい。
そう思った彼は携帯の連絡先からAの名前を探す為にスクロールした。
「あれ？音羽くん？」
そんな時、不意に呼ばれた自分の名前。
聞き慣れた声色は間違いなく、今音羽が連絡先を探していた人物……A。
彼女はパタパタと音羽に駆け寄ると、ふにゃりと微笑む。その顔には少し疲れが混ざっており、普段ならほんわかしている彼女の空気もくすんでいる気がする程だ。
「お疲れ様、音羽くん。」
「お疲れ様。それよりA、大丈夫か？疲れてるみたいだけど。」
「あー……うん。ちょっとね。大丈夫！美味しいもの食べれば元気になるから、私。」
ふふ、と笑うAだが、彼女の抱える腕の中には書類の山々。
真面目な彼女の事だ。普通に仕事をこなしていればこんな仕事量があるはずが無い。
大方、Aの“人が良い性格”に漬け込んだ上司や同僚に、強引に押し付けられたのだろう。
付き合いの長い音羽にしてみれば彼女が無理をしているのは明らかで、良いように使われている事に腹が立つ。
彼はAの腕をとると、彼女の診療科である皮膚科の医局へと歩を進めた。
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カシオレ(プロフ) - exさん» はじめまして！コメントありがとうございました！励みになります。近々、めがねの続きをアップする予定ですので、これからもよろしくお願いします。 (2021年10月2日 17時) (
レス) id: 4f6cb09541 (このIDを非表示/違反報告)
ex(プロフ) - めがねの続き気になります！更新頑張って下さい！ (2021年10月2日 15時) (レス) @page10 id: 905bf9a542 (このIDを非表示/違反報告)
カシオレ(プロフ) - 。さん» ご指摘ありがとうございます！不明な点などあり、未熟ですが、これからもよろしくお願いします。 (2021年9月22日 19時) (レス) id: 4f6cb09541 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カシオレ | 作成日時：2021年9月22日 14時
