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#1 追憶 ページ2

ある日。今日も三人で遊んだ。絵を描いたり、おやつを食べたり。
私はここにまた引き取りに来るから、と言った両親を待っていた。私は親が大好きで、それを信じ切っていた。でももうここに来てから2ヶ月ほど経つ。

すると先生が来て、兄妹二人にコソコソと何かを話す。

私一人になったので仲間はずれになったようなそんな気分になる。チョコチップクッキーを齧りながら外を眺めていた。どんよりとした曇り空。でも私は呑気にこの雲の上には綺麗なお城があって、陶器のような肌の美しいお姫様がいるなどと空想していた。曇り空でもポジティブ思考は絶えない。

「先生、なんて言ったの?」

帰ってきた兄妹に笑顔で言うが、すぐには返答はなかった。
理は今にも泣きそうな顔をしている。涙が目に浮かんでいた。

「理だけ、新しい家族に引き取られるって。」
環の表情は分からないが、声のトーンから笑ってはいないことが分かる。
私はすぐには状況が読み取れず、混乱していた。

「あ、新しい家族って」
「前からここを見に来てた家族。ほら、会社をけいえい?してるって言ってた」

環はそう言うと、ぎこちない笑顔で理に向けて言う。
「良かったじゃん、理。ここからバイバイできるよ」

多分泣いている彼女を安心させるための笑顔なのだろう。
こんな小さい女の子が大好きな最後の家族から離れるなんて、心の荷が重すぎる。
先生は優しく、環とは連絡できるしまた会えるよ、と言うのだが理は下を向く。
引き取ってくれる家族は確かに良い人だと思う。理も懐いてはいた。

でも、急に言われても困ってしまう。私は一つ目の現実を突き付けられた。
いつかは、皆、こうやって離れ離れになるんだって。

#2 現実→←プロローグ



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なつめみく - ええええ?!神!!すげーはまった!!なんか、たまきってめっちゃ可愛い!!今まで三月推しだったから盲目すぎて三月にばっか結婚しようとかいっちゃってたけどたまきも推しになりそー!!!がち可愛い!!! (9月28日 16時) (レス) @page26 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2018年7月13日 22時

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