29話 ページ31
珍しい幼なじみから電話がかかってきたから、速攻ででると、電話の主は泣いていた
及川「椿?どうしたの?何かあったんだよね?」
その問いかけに泣いてばかりでまともに喋れずにいたが、まずは落ち着かせないと、と思い慰めの言葉を沢山かけた
しばらくすると、やっと喋れる状態になり
今日あった事、夏休みに起きた事を聞いた
及川「そっか……やっぱりあの自主練で……椿ごめんね。俺らのせいで……」
「……あれは、私が、私の意思でやったから……徹達のせいじゃ、ない……」
及川「でも……」
一瞬の沈黙が起きる
「……私……宮城に、帰りたい……徹達がいるとこに帰りたい……」
夏休みの合宿中に1度帰って来るようには言ったけど、結局帰って来なかった理由が今分かった
そして、今のこの状態の椿を1人にしておくのは危ないと思い、俺は「帰っておいで」と優しく言うと
また椿は泣いてしまった
しばらく泣きじゃくった電話の主は落ち着いたのか、また連絡すると言い、俺との電話を切ったのであった
及川「……どうしたもんかね〜?」
あのまま東京に置いておくのも心配だし、椿が帰ってくるのはとても嬉しい事だけど、その椿の根本の傷は本人にしか解決できない
しばらく考えた俺だけど、流石にキャパオーバーだ
ここは、一旦椿が宮城に帰ってきたら考える事にすると決めて、俺は寝床についた
翌日、岩ちゃんに昨日あった事を言うと「そうか。」とだけ言い、難しい顔をしながら朝練に励んでいった
椿、俺らはどうしてあげれば、君の傷は癒えるのかな?
傍にいてはあげられるけど、君の根本的なものは解決してあげられないよ。
でも、今の椿に"逃げるな"なんてそんな残酷な言葉は今はまだ言えない
だって、今それを言ったら君は壊れちゃう気がして……
及川「本当に、どうしたもんかね〜」
今日はよく晴れた空
その空を見上げながら、俺が何もしてあげられない歯がゆさを笑われてる気がして、空を睨んだ
椿からの電話から1週間が経った
椿は本当に宮城に戻ってきた
「徹!岩ちゃん!」
俺達をそう呼ぶその姿は今にも壊れて仕舞うような感じがした
及川「岩ちゃん、今度こそ俺達が傍にいてあげないとだね……」
岩泉「ああ。そのつもりだ。」
そう言った俺達の顔はとてもこわばっていたらしい
椿、俺はもう2度と、君を1人にしないからね
そう自分に誓って椿の元へ駆け寄った
だから今は安心して俺達を頼ってね
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作者名:椿 | 作成日時:2020年5月3日 21時