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16話 ページ17

黒尾side

最近うちのマネージャーは元気である。
あの過去の話の一件以来、色々と吹っ切れたかのように見える。


黒「椿ちゃん最近なんか俺らにスパルタになってなーいー?」

『えー、そんな事ないですよー?』ニッコリ


あーらら、本人無自覚かい。苦笑

元々可愛いと思ってたけど、最近はよく笑うようになったから、俺以外の部員も椿ちゃんをほっとかない。


過去の話を無理やり聞こうとしたあの時、椿ちゃんを畳み掛けてるような感じで、絶対俺は他の奴らより嫌われてんだろーなって思ったけど、あの様子だとそうでもないみたいで安心した。


つーか、そもそも俺が1番最初に痴漢から助けたし、マネージャーとして連れてきた訳だし、そんな印象悪い訳ねーよな???




研「....ろ、くろ!」

黒「!!あ、なんだ、研磨か、どうした?」

研「なにボーッとしてんの。はぁ、、どーせ、椿の事でも考えてたんでしょ…。」


この幼馴染は本当に勘が鋭い。


研「最近の椿、なんか活き活きしてるね。」

黒「ああ、そうだな。俺らは″あの救いの女神″って事知ってけど、他の部員には隠してるみたいだけどな。」

研「...クロ、本人が自分から話すまでクロから話しちゃだめだからね。」ギロッ

黒「わかってるよ。研磨クン。」


はぁ、全くもって研磨にはかなわねぇ。てか、最近きみは椿ちゃんに甘すぎるのではないかね?


そもそもなんで、隠すのかねー?俺には全くわからん。


椿は、中2の秋に日本最若手選手候補として選ばれ、バレー業界では有名だった。中3でリベロからセッターへの移行にも関わらず、その立ち回りは凄かった。


周りを圧倒していた。


同世代の俺は本当に尊敬していた。


だが、高一の途中から彼女を試合で見る事はなくなった。気づいた時にはバレー業界から姿を消していた。

その理由が先日分かった訳だが。




リ「くろおさん!!!助けてくださぁーーーい!!
椿が今日も鬼ですぅーーー!!!!」

『こらー!!リエーフ戻ってきなさーーーい!!』


そんな彼女は今日もまたリエーフをしごいていた。





なぜ彼女はリベロからセッターに移行したのだろうか。そしてなぜ救いの女神を隠すのだろうか、今の俺にはまだまだ知る由もなかった。

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作者名:椿 | 作成日時:2020年5月3日 21時

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