榎本径の奥さんになってからも

八話 ページ8

…お隣さんのことで、なんだかモヤモヤした気分だったけど…いつまでも考えてたって、仕方ない…！

…別に…径のことをうっとりした目で見てただけで…
ちょっかいだされたワケでもないし…笑

あたしは気を取り直して夕飯の買い出しに行くことにした。

…径…早く帰って来てくれるって、行ってたし…
今日は径の好きなカニクリームコロッケにしよう♪

A｢きい♪ママと一緒にお買い物いこ♪｣

ご機嫌のきいをベビーカーに乗せて、あたしは玄関扉を開いた…すると…

西園寺｢あっ、先程はどうも♪｣

A｢…あ、どうも…｣

ちょっと…会いたくない、タイミングだったなぁ…←笑

隣から出てきた西園寺さんと鉢合わせしてしまって…微妙な空気が流れる…
彼女の手にはお財布が握られていて…どうやら、買い物に行くらしい…

A｢じゃっ、また…｣
挨拶もそうそうに、あたしはベビーカーを押しながらエレベーターへと向かった…

その時…！

西園寺｢あっ、あのっ！｣
背後から突然呼び止められ…思わず振り向くあたし…！

A｢な、なにか…？｣

振り向くあたしに、西園寺さんは満面の笑顔で問いかける…

西園寺｢あの…ひょっとして、お買い物ですか？
越してきたばかりで、スーパーの場所とか、知らないんです。良かったら…ご一緒してもいいですか？｣

A｢…え…｣

…あたしの答えも聞かず…隣に並んで歩き出す彼女…

…ってゆーか…なんで、こんな展開になっちゃうの!?←笑

…あたしは仕方なく、彼女と一緒に近所のスーパーに行くことにした…
エレベーターに乗りながら、彼女は嬉しそうに微笑んだ…
女性らしい、柔らかな微笑みに…女のあたしでさえ…目を奪われる…←笑

西園寺｢ありがとうございます♪榎本さん♪｣

A｢いえ…ついでですから…｣

あたしもとりあえず、笑いながら彼女に返事をする。
これから付き合っていく、お隣さんなんだもん…いくら径に、うっとりしてたからって…失礼な態度…とったら悪いよね…

ベビーカーに乗って、大人しくしてるきいに…彼女は笑みを浮かべながら、呟く。

西園寺｢カワイイですね♪お名前は？｣

A｢きい…っていいます♪｣

西園寺｢きいちゃん、ですか♪…旦那様に、似ていらっしゃいますね♪｣

…径のことが話題に出て…思わず固まるあたし…笑

A｢あ、そう…ですか…｣

西園寺｢…旦那様、とっても素敵な方ですね…」

彼女の言葉に…あたしは複雑な気持ちになって…思わず、俯いた…

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