榎本径の奥さんになってからも

七話 ページ7

…会社に行く径を見送って、あたしはきいを抱っこしながら、リビングのソファに腰を下ろす…

『西園寺と申します…♪』

…突然現れた、キレイすぎるお隣さんに…なんだかイヤな予感がする…

…さらさらのロングヘアに、上品な感じの憂いのある眼差し…きちんとひかれたピンクベージュの口紅が、大人の女性って雰囲気…

…でもっ!!
径を見つめる…うっとりした眼差し…なんか…イヤな感じっ!!←コラコラ!!笑

おまけに…

『ご結婚…されてるんですね…』
なんて…
結婚してちゃダメなワケ!?←落ち着いて下さい…笑

あたしを見る彼女の瞳が、なんだか笑ってるみたいで…思わず径の腕を掴んじゃった…

…径のこと…好きになられちゃったら…どうしよう!?←笑
あっ！でも…西園寺さんも結婚してるんだった…笑

一人、考えを巡らせながら、難しい顔をするあたしに、きいはキャッキャッと笑いながら抱きついてくる…

A｢ねぇねぇ、きいはどう思う？…あの人…パパのコト…好きなのかなぁ…？｣

きいを抱き上げて、径にそっくりの賢そうな瞳を覗きこむ…

きい｢…パパ…♪｣
パパって言葉に反応して、きいは満面の笑みを浮かべる。

A｢きいはパパ、大好きだもんね♪｣

…きいに聞いても…分かんないよね…笑←当たり前です！

…径ってば…最近ますます、モテるんだもん…

この間だって…きいを連れて、近所の公園に散歩に行ってもらった時…なかなか帰って来なくて、心配して迎えに行ったら…

『ずいぶん、若いパパさんなんですね♪』
『今度、ウチで遊びません？』
『ウチの子とも遊んでもらいたい♪』

…径ときいのまわりに群がる…若いママさん達…てゆーか…径を取り合う、ママさん達…笑

径はキョトンとした顔で、きいを抱っこして佇んでたけど…←カワイイ…笑

もぉ…そんなんだから、心配でもう二人で公園には行かせないようにしてるのに…←そーなんですか!?笑

よりによって、お隣に、あんな女性が引っ越してくるなんて…心配、かも…

…思わず、さっき見送った径を思い出す…
行きがけにされた…ちょっと強引で甘いキスの感触が…まだ唇に残っていて…胸がドキドキする…

しかも…
『続きは…帰ってきてからにしましょうか…』
なんて…
イヤでも…期待しちゃう…

径の艶っぽく煌めく瞳を思い出して…顔を赤くするあたしを、不思議そうに見つめるきいをギュッと抱きしめながら…あたしポツリと呟いた…

A｢…心配…しすぎだよね…」

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