榎本径の奥さんになってからも

おまけ その参 ページ49

…ある、昼下がりの榎本家…

A｢径♪コーヒー、入ったよ♪｣

径｢…はい…｣

…ガチャガチャと、テーブルの上に置かれた鍵を開けながら…背中を向けたまま答える径…

意外に男っぽくて、広い背中…
…夢中になって…少し唇を尖らせる横顔が…たまらなく…カワイイ…♪←笑

A｢…何、してるの？｣

あたしの問いかけに、鍵を開ける手を止めて…径は淡々と話し出す…笑

径｢…これは、西洋の錠前なんですが、内部の構造がとても複雑で開けるのは容易ではありません…まず、内部左側にあるロックを外し、その後に右側の…｣

…また、始まってしまった…笑
径の、鍵講座…←いつから講師になったんですか…笑

A｢…へっ、へぇ〜、そーなんだ！難しそうだね！…コーヒー、淹れたよ♪｣

あたしの言葉に、径はピタリと話しを止める…

径｢…そうですね…少し休憩、しましょうか…｣

そう言うと…径はその涼しげな瞳を煌めかせ…強引に、あたしの身体を引き寄せた…！

A｢…っ、け、径!?｣

…片手で軽々とあたしの手から、きいを抱き上げ…もう片方の手で、あたしの腰を抱き寄せる…

径｢…休憩…｣

…そう呟くと…径はその瞳をいっそう甘く煌めかせ…優しくあたしに、キスをした…

…優しく…でも熱っぽく…あたしの唇に触れる径の唇に…あたしは思わず…声を漏らす…

そんなあたしを見て…径は艶っぽく微笑んだ…

径｢…こんな昼間から…マズイ…かなぁ…｣

…径の唇は、あたしの首筋へと移動して…優しく甘く…辿っていく…

…マ、マズイよっ!!こんな昼間からっ!!←笑

…そう心で思っていても、首筋に落ちてくる径の甘いキスに、身体中の力が…抜けそうになる…

A｢…け、い…ダメ…｣

径｢…本当に…ダメ…？｣

…耳元で囁かれる径の心地いい…低くて甘い声…

…ダメなワケ…ない…←笑

あたしは思わず、径にしがみついた…！

…次の瞬間…

……ガチャ…♪

…ん？…ガチャ…？

…径と二人…顔を見合わせて…きいを見つめると…

きい｢…がちゃ♪した〜♪｣

…きいの手には、径が開けようとしていた鍵…

…しかも…

径｢…開いてる…｣←マジですか〜!!笑

…よほどビックリしたのか…ズリ落ちる…径の眼鏡…笑

径｢…さすが、僕の子です…!!｣

ズリ落ちた眼鏡を、指先で整え…径は満面の笑みできいを抱きしめた…笑

…似た者、親子…なのね…笑

そんな二人と過ごす…ある日の休日…♪

…今日もあたしは…幸せ、です…♪

あとがき&お知らせ→←おまけ その弐

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す