榎本径の奥さんになってからも

最終話 ページ46

A｢もう…イイですよ(笑)｣

…そんな風に謝られたら…許せないなんて、いえないし…

西園寺｢…ほんと、ゴメンなさい…でも…Aさん、イイ人すぎですよ♪…いつか、悪い人に騙されちゃいますよ♪｣

…西園寺さんにまで、そんなこと言われるなんて…笑

扉の奥から、彼女を呼ぶ声がして…彼女はふんわりと、笑いながら帰っていった…

…なんだか…人騒がせな、人…だったなぁ…
しかも…あたし、西園寺さんから見ても…お人好し…だったんだぁ…笑

…かなりガッカリしながら…でも、ホッとしながら…あたしはエレベーターに乗って、径ときいの待つエントランスに向かった…

…すると…
一難去って…また一難…笑

エントランスには、また…マンションの奥様方に囲まれてる…径の姿…

もぉ〜!!あたしの径なんだから〜!!←笑

A｢径!!…お待たせ…♪｣

あたしの声に、クルリとこちらを向き、奥様方の輪から抜け出してくる径…

径｢…終わり、ましたか…｣

眼鏡を指先でおさえながら…径はちょっと心配そうな眼差しで、あたしの顔を覗きこむ…

A｢うん♪…なんかね…あたしのことが、羨ましくて、嫌がらせ…しちゃったんだって(笑)…ゴメンなさいって、言われた…｣

径｢…そうでしたか…｣

A｢…良かった…西園寺さん…径のこと、好きなのかと思ってた…｣

思わず不安に思ってた…本心を口にすると、径は不思議そうに首を傾げる…

径｢…僕のことを、ですか…？｣

A｢…そーだよ…径、モテるんだもん…｣

ちょっと拗ねたように、隣を歩く径の腕をちょこんと掴む…

A｢…さっきだって…また、マンションの奥さん達に囲まれてた…｣

そんなあたしを見て、径はクスリとイタズラっぽい笑みを浮かべる…

径｢…ヤキモチ？…また、今夜…仲直り…しましょうか…？｣

そう言って、耳元で囁く径の甘い言葉に、あたしの心臓はドキリとする…！

…径の奥さんになってからも…ヤキモチばっかり妬いちゃうあたし…

でも…これからは…ちゃんとする!!
…きいのママだし…径の奥さんだから…

…だから、今夜は…まだ…径に甘えたい…

A｢…仲直り…する…｣

甘えたように、呟くと…
予想外のあたしの言葉に…径の顔は珍しく…耳まで…赤い…←榎本さん…笑

…これからは…もっとイイ奥さんになるから…
だから…ヤキモチ妬いても…許してね…♪

赤くなった横顔を見つめながら…
あたしは一番の笑顔で、愛しい径に微笑んだ…

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