榎本径の奥さんになってからも

四十四話 ページ44

…も、もう一回なんてっ…!?
あっ、朝なのに〜っ!?←笑

動揺するあたしに構わず、径はイタズラっぽく笑った…←榎本さん…やっぱりドS ですね(笑)

…耳元で囁かれる、吐息まじりの径の甘い声と…胸元に滑り込む、径の艶っぽく動く指先に…思わず…熱い吐息が漏れそうになる…！

…これじゃ、径に…逆らうことなんて…できない…

思わず、ギュッと径の腕にしがみつくと…径は涼しげな瞳を煌めかせ…クスリと笑って、あたしの唇に人指し指をあてる…

径｢…静かに…して下さいね…？｣

そう言って、あたしを見つめる径の瞳はいっそう艶っぽさを増し…ドキドキするほど、甘く煌めいていて…
…あたしは…小さく頷き、ギュッと瞳を閉じた…

…径の…以外と筋肉質な背中に手をまわし、あたしはその大切な存在をギュッと抱きしめた…けど…

…次の瞬間…

きい｢パ〜パ!!｣

…ま、またしても…(笑)
いつかのデジャヴのような感覚に…あたしと径は、顔を見合わせる…←笑

…そっと…抱き合ったまま、ベビーベッドを見つめると…そこにはやっぱり…満面の笑顔ではしゃぐ、愛らしいきいの姿…(笑)

きい｢ママ〜♪｣

……朝の甘い雰囲気は…一気に消し飛んじゃったワケだけど…
…まぁ、いっか…♪

あたしと径は顔を見合わせ…思わず吹き出した…


……もちろん、今日は径の仕事もお休み…♪
家族三人、水入らずで買い物に出かけることにした…

A｢径♪仕度、できた？｣

径｢…はい、できました…｣

着替えを済ませて、きいを抱き上げる径…
ブルーのニットに、アイボリーのボタンダウンのシャツ…お気に入りの黒のニットタイを締めた径は…惚れ惚れしちゃうくらい…素敵…♪

…思わず見とれてしまうあたし…←奥さんですよね(笑)

径｢行きましょうか…｣

A｢うんっ♪｣

…径も一緒に買い物なんて…凄く久しぶりで、とっても嬉しい…♪

そんな気持ちで、玄関ドアを開けると…
同じタイミングで…隣のドアも、開いた…

西園寺｢あっ♪おはようございます♪｣

…またしても(笑)
鉢合わせ、してしまった…

A｢…あ、おはよう、ございます…｣

とりあえず、挨拶をするけど…←笑

ん？なんか、西園寺さんち…騒がしい…？

バタバタする扉の奥…
思わず、チラリと覗きこんでしまう…と…
西園寺さんは、爽やかな笑顔を浮かべて…サラリと呟く…

西園寺｢あっ、今日でウチ…引っ越しするんです♪｣

…はい…!?笑

あたしは開いた口が、塞がらなかった…笑

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