榎本径の奥さんになってからも

二十七話 ページ27

…な、な、なんで…!?
いきなりウチに上がり込もうとしてるのっ!?←笑

いきなりの西園寺さんの言葉に…目がテンになるあたし…！

そんなあたしを見て、西園寺さんは満面の笑みであたしの顔を覗きこむ…

西園寺｢あ、あの〜…ウチの間取りと違うのか気になって…メーワク、ですか…？｣

ま、間取りなんて…どの部屋も一緒じゃないの？
そ、それに…メーワク、ですか…？
なんて…
そんな聞き方されたら…断れないじゃないのよ〜!!←笑

A｢…いや、メーワクなんて…そんな…｣

西園寺｢ほんとですかっ!?すみません…お邪魔します♪｣

あたしか話し終わらないうちに…西園寺さんはサンダルを揃えて、部屋へと上がり込んだ…

西園寺｢わぁ〜♪素敵♪｣

あたしの声が聞こえないみたいに…西園寺さんはリビングへと足を運ぶ…

…なんだか…ヘンなことに…なっちゃったなぁ…

……とりあえず…自分でも、お人好しだとは思ったけど…
西園寺さんと、あたしの分と…紅茶を２つ、用意した…

…お茶…飲んで、早く帰って貰おう…笑

A｢…あ、よかったら…どうぞ…｣

西園寺｢すみません♪いきなりお邪魔しちゃったのに、お茶まで…♪｣

A｢…い、いえ…｣

西園寺｢あれ!?きいちゃんは…｣

A｢あ、今…お昼寝中で…｣

…あたしの密かな願いとはうらはらに、なかなか帰らない西園寺さん…
きいの話しもそこそこに…話題はすぐ径のことになった…

西園寺｢この間は、助かっちゃいました♪径さんに、すぐ来ていただいて…｣

…また、名前で読んでる…!!←笑

顔色が変わりそうになるのを抑えながら…あたしは努めて、冷製に…話しをした…

A｢…あ、お役に立てて…良かったです…｣

きちんと、塗られた指先のネイル…
その指先で、紅茶の入ったカップを持ちながら…西園寺さんはうっとりとした眼差しで、あたしに問いかける…

西園寺｢…ほんと、素敵ですよね…径さんって…
Aさんと、径さん…どうやって、お知り合いになったんですか？｣

A｢…あ、あたしが家の鍵を無くしちゃって…それで…｣

西園寺｢凄い♪ロマンチックな出会いなんですね…｣

まるで、少女漫画の主人公みたいに、目をキラキラさせる彼女に…なんだか、あたしもつられて、笑ってしまった…←笑

…なんだか…イイ人なのか…ワルい人なのか…イマイチ…分かんない…←笑

…きちんと挨拶をして帰る、彼女の後ろ姿を見送りながら…あたしはため息をついた…

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