榎本径の奥さんになってからも

十四話 ページ14

径｢ん？どうしました…？｣

イスから落ちそうになるあたしを見て(笑)
首を傾げる径…

A｢…な、なんでもない…笑」

…お風呂、あたしと一緒に入るかと思った…なんて…口が裂けても…言えない…←笑

…径ときいが、お風呂に入ってる間、洗い物を済ませるあたし。
…ほどなくして…径がきいを連れてお風呂から上がってきた。

…片手で軽々ときいを抱き上げる径…
…その、濡れた髪と…潤んで艶っぽい眼差しに思わず、ドキリとする…←笑

…やっぱり…お風呂上がりの径は…
尋常じゃなく、色っぽい…

径｢お風呂、あきましたよ…」
そう言って、あたしを見つめる…その眼鏡の奥の涼しげな眼差し…

A｢あ、あたしも!!お風呂入ってくる!!｣

なんだか…あたしの気持ちを径に全部見透かされそうで…
あたしは慌ててバスルームに向かった…

赤くなる頬に手をあてて…あたしはザブンと湯船に浸かった…

…結婚しても…きいが生まれて、ママになっても…径への胸のトキメキは全然収まらなくて…
むしろ、大好きって、気持ちが…どんどん強くなっていく…

あんなつまらないことで…ヤキモチ妬いちゃう自分が…ちょっと恥ずかしくなる…

もう！あたしってば!!
きいのママなのに…大人げない…←大人って、自覚してたんですね…笑

…暫し…反省をしてから…(笑)
あたしはバスルームを後にした。

…ベッドに横になりながら…毎晩、きいに絵本を読んであげるのが、日課♪
絵本を読むと、きいはすぐ寝ちゃうんだけど…
その寝顔は、世界で一番…カワイイ…♪

…あたしはちょっと慌てながら…手早くドライヤーで髪を乾かした…
すると…

洗面所の鏡越しに映る、径の姿…

A｢あ、今行くね♪…きい、まだ起きてるよね？｣

あたしの問いかけに、径はなぜか…満面の笑みを浮かべる…←え、榎本さん…？笑

径｢…もう…寝ました…♪」←♪？笑

A｢えっ!?もう、寝ちゃったの!?…昨日の絵本の続き、読んであげようと思ったのに…｣

ちょっとしょんぼりするあたしに、径はふんわり笑いかける…

径｢…続き…？｣

A｢そう、続き…｣
そう呟くと…突然、後ろから…ふんわりと優しい力で、抱きしめられる…！

A｢けっ、径!?｣
…あたしを抱きしめる、細いけど意外に筋肉質な径の腕…
鏡に映る…その姿に…心臓が、悲鳴をあげる…！

径｢…A…｣
耳元で囁かれる…吐息まじりにあたしを呼ぶ、径の切なげな声に…身体の力がぬけそうになる…

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