幸せはきっと僕の手の中に…2

94話 ページ45

…リビングに佇んだまま、ソファに座る健太くんの揺れる瞳に捕らわれて…動けない…

…どのくらい時間が経ったのか…
ちょっと俯きながら…ポツリと呟く健太くんの声に、ドキリとする…！

健太｢…あのさ…ハナシ…あんだけど……こっち…きて…｣

A｢う、うんっ…｣

…小さく呟く、ちょっと甘えたような健太くんにドキドキしながら…あたしは健太くんの隣に座った…

…伏せられた瞳が、不安定にゆらゆらと揺れて…あたしの瞳をためらいがちに見つめる…

健太｢…俺…さ、今まで…なんでも適当にやってきたし、うまくいかないことがあるとさ…すぐ、ふてくされて…諦めてた…」

時折…目を伏せて、指先で頬を掻きながら話す健太くん…
…こんな真剣な顔…今まで、見たこと…ない…

健太｢…仕事もかったるい…とか思ったりしてさ……でも…今はそんな風に思ってねぇよ……たぶん…たぶんそれって……お前のおかげ…じゃねーのかな…って…｣

A｢…えっ…！」

…あ、たしの…おかげ…？

健太くんの言葉に、心臓の音がどんどん大きくなる…！

健太｢……だから、さ……その………いてくんねーかな…俺の、そばに…」

…あたしを見つめる健太くんの瞳は…強く輝き…揺れていた…

健太｢…俺と…結婚…して欲しい…｣

……健太…くんっ…!!
あたしは、堪らなくなって…思いっきり、健太くんの首に抱きついた…！

健太｢…おわっ!?｣
…突然、あたしに抱きつかれて…ソファに押し倒される健太くん…笑

A｢…けっ、健太く〜ん…う、嬉し…｣

…日に焼けた…健太くんの首筋に顔を埋めながら…涙声で呟くあたし…
…そんなあたしの背中を健太くんのおっきな手が、優しく包み込む…

健太｢…すっげぇ…キンチョー、した…笑｣
…耳元で、恥ずかしそうにふんわり笑う…健太くんの声が聞こえて…あたしはそっと、健太くんの顔を覗きこむ…

A｢…キンチョー…？｣

健太｢…断られたら…どーしよーかって…すげぇ…ビビってた…笑｣

そう言って、涙が溢れたあたしの目尻を…そっと指先で拭いながら、唇の端をちょこっとあげて笑う健太くん…

健太｢…良かった…｣
…あたしの身体をそっと抱き寄せ、ギュッと強く抱きしめる健太くん…
健太くんの腕の中で、あたしはポツリと呟いた…

A｢…断るワケ…ないよ…初めて会った、あの時から…健太くんのこと…好きで…好きで…仕方ないんだもの…｣

…その言葉に…健太くんの腕はいっそう強く、あたしを抱きしめた…

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