幸せはきっと僕の手の中に…2

93話 ページ44

…テレビ越しに伝えられた…健太くんからの、信じられない…言葉…

…あたしは暫くテレビの前から動けないでいて…気がつけば…健太くんの番組は、終わっていた…

…今の…ほんと、なの…!?
健太くん…!?

…あたしは恐る恐るケータイを手にとり、震える手で…電話をかける…！

…呼び出し音がツーコール…すぐに聞こえてくる、愛しくて心地いい低い声に、心臓が悲鳴をあげた…！

健太｢…もしもし…｣

A｢あ、健太…くん？…お仕事…終わったの？｣

健太｢…お、おう…｣

…さっきのって…もしかして…もしかして…プロポーズ…？

…そうは思っていても…こんなこと、あたしから聞けるわけ、ない…

A｢あ、あの…良かったら、ウチでご飯…どーかなぁって…健太くんの好きな、ハンバーグ作ったの…｣

健太｢…お、おう…｣

…いつもと変わらず、ちょっとぶっきらぼうな健太くん…

…やっぱり、アレって…プロポーズじゃ…ないのかも…
番組の中の演出とか…だったのかなぁ…
なんだか、一人で焦っちゃった…笑

…ちょっと………残念……

A｢じゃ、待ってるね♪｣

…健太くんを無事に夕飯に誘い、あたしは健太くんの帰りを待ちながら…夕飯の仕度をした。

…夕飯の仕度がちょうど終わったころ…インターフォンが鳴り響く…！
あたしは慌てて、扉を開けた…！

健太｢…おう…｣

いつもの黒のブルゾンと、黒の細身のパンツ…ポケットに手を入れてちょっと恥ずかしそうに笑う、健太くん…
…相変わらず…カッコいい♪←笑

A｢お仕事、お疲れ様♪あがって♪｣

健太｢疲れ、たぁ…｣
健太くんはそう言って、ソファにドカッと座り込み、天井を見上げる…
その視線が…ゆっくりとあたしに向けられたかと思うと…健太くんは慌てて目をそらした…！

…あれ？…また、健太くん…変？

落ち着かない様子で目をキョロキョロさせて…口元に手をやりながら、ため息をつく健太くんに、あたしは思いきって…問いかけた…

A｢…健太、くん？…どーしたの？｣

あたしの問いかけに、健太くんは更に動揺したようにビクリと肩を揺らす…笑
…暫くの沈黙のあと…健太くんは、言いづらそうに…ポツリと呟いた…

健太｢…お前…さ、今日…俺の番組……見た？｣

その言葉に、あたしもドキリとして…身体が、震える…

…あの…こと…!?

A｢……う、ん…見てた…｣

あたしの言葉に、顔をあげる健太くん…！
健太くんの揺れる瞳と…視線が絡み合って…目が、離せない…

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