幸せはきっと僕の手の中に…2

90話 健太 ページ41

…いつものフザケた衣装に着替え終わった俺達は、楽屋を出て収録スタジオに向かう…

スタジオの回りには、いつもよりたくさんの子供達で賑わっていた。

健太｢…なんか、今日…人数多くねぇ？｣

守｢あれっ？矢野くん、知らないの？今日…生放送ライブだよ♪｣

健太｢…そっか…生放送か……って……生、放送？……ええ〜っ!!｣

楽しそうに鼻唄を歌う守の肩を、思わず掴む俺…！

…つーか、聞いて…ねーしっ!!

守｢真鍋さんが言ってたじゃないか〜♪矢野くん、忘れちゃったの？｣

…………そーいえば…そんな、気もする…笑
Aのことばっか考えてたせいで…すっかり、忘れてた…

『ライブ…絶対成功させるわよ〜!!』
そう言って、コワイくらいに目を輝かせる真鍋さんを思い出し…俺は全身血の気がひいた…笑

…失敗…できねぇじゃんかよ〜っ!!←笑

守｢今日のライブは、自分の気持ちを伝えることの大切さを歌を通して、子供達に学んでもらうんだって♪｣

…伝えることの大切さ…かぁ…

…そんなことをぼんやりと思ってるうちに、生放送が…始まった…

麗｢よいこの皆さ〜ん♪こんにちは〜♪歌のお姉さんですわよ〜♪｣

健太｢歌のお兄さんです…｣←テンション低っ！
守｢歌のお兄さんだよ〜♪｣

麗｢さぁ、今日は皆さんに…自分の思ってることを、大好きな人にキチンと言えてるのか…聞いてみたいと思います♪お父さん、お母さん、お友達…大切な人にありがとうって言えてますか？まずは…守お兄さん♪｣

守｢はいっ！お父さん、お母さん…二人のおかげで今、僕…歌のお兄さんになれたよ〜！ありがと〜!!｣

…なんか…ちょっとズレてる気もすっけど…
満面の笑顔でテレビカメラに手を振る守に、思わず笑ってしまう…

麗｢…は、はい！守お兄さん…よくできましたね♪じゃ、次は…健太お兄さん♪｣

健太｢おっ、俺も!?｣
突然の振りに、びっくりする俺…！
テレビカメラが俺の顔をアップで映して…途端に緊張する…！

麗｢健太お兄さんも、大切な人に…日頃の思いを言葉にして伝えて下さいね♪｣

…大切な人に…日頃の…思い…？

『だからね、ちゃんと言葉にして、伝えないと…』
…さっき、守に言われた言葉が頭を掠める…

…俺の一番…大切な人…
…ずっと…そばにいたい…一緒に、いてほしい…

…言葉にしなきゃ…伝わらない…

…そう思ったら…勝手に、口が動いてた…

…A…

健太｢…俺と…俺…と…
………………ケッコン、して欲しい…！｣

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