幸せはきっと僕の手の中に…2

89話 健太 ページ40

…もう…俺…ほんと、ヤバイわ…

いつもの楽屋で、ブルゾンとT シャツを脱ぎながら俺はぼんやりと、昨日のことを思い出す…

『…もう…帰っちゃうの…』
そう言って…俺のブルゾンの袖口を掴んで、上目使いで俺を見つめるA…

…そんな潤んだ瞳で、俺を誘うAに…

俺はもう…限界…越えそう…

本当は…あのまま…Aの家にあがって…
Aのこと…抱きたかった…

…でも…でも、それじゃ…
タダの、がっついてるヤツみたいじゃんか〜っ!!←笑

…まぁ、結局…我慢できなくて、キスはしちまったけど…←笑

…着替えながら…ふと、ポケットに手を入れると…Aから貰ったシルバーのライターが鈍く光る…

…大切に…大事にしたいんだ…
Aのこと…
…そう思ってても…つい…Aの全てを自分のモノにしたくなる…

…その潤んだ瞳も…唇も…身体も…
……俺で…いっぱいに…したい…

…気持ちと、身体はうらはらで…
どうしたら…この気持ち…Aに伝わるんだよ…笑

…そんな気持ちと葛藤しながら…笑
俺が着替え終わると、突然…！

守｢や〜の〜く〜ん♪｣

健太｢おわっ!!つーか、いきなり出てくんじゃねぇよっ!!｣

ニヤニヤしながら不気味に現れた守に(笑)思わず怒る俺…
そんな俺に構わず、守はタレた目尻をいっそう下げて…満面の笑みで微笑む…

守｢昨日は楽しかったね〜♪…Aちゃん、カワイイんだなぁ〜♪しかも、気もきくし…優しいし…最高の彼女だね♪｣

健太｢…ま、まあな…｣←笑

…そりゃあ…カワイイに、決まってるし…笑

…守に言われて…照れくさい気持ちになったけど…
俺は鼻をすすりながら…ちょっと得意気に頷いた…

守｢あんなイイ子…離しちゃダメだよ〜！｣
そう言って、俺の肩を肘でグイグイ押してくる守…←笑

健太｢おっ、お前に言われなくたって…分かってらっ!!｣

守｢女の子は、不安定な生き物だからね…気をつけないと…！｣

健太｢ふ、ふあんてー…？｣

着替えながら、ふわふわ笑う守の顔を思わず覗く俺…

守｢そう！自分のコトを分かってくれてる…って思ってても、伝わらない時だってあるんだから…！｣←守…何があったんだ!?笑

健太｢…そー、なのか!?｣

守｢だからね、ちゃんと言葉にして伝えないと！｣

…まさか…守に、オンナゴゴロってやつを学ぶとは…←笑

人差し指を立てて、うんうんと頷く守を見ながら…
俺も…よくわかんねーけど…なんとなく、守に合わせて相づちをうった…笑

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