幸せはきっと僕の手の中に…2

53話 ページ4

…え、えーと、誰、だっけ…？←笑

｢久しぶりだなっ!!元気だった!?｣

…首を傾げるあたしとは正反対に、嬉しそうにあたしの肩をバシバシ叩く彼…

｢なんだよ…覚えてないの!?俺、悟!!｣

…サトル…？………あっ!!

A｢…隣に住んでた悟くんっ!?｣

…思い、出した…！まだお父さんがいた頃、家の隣に住んでたひとつ歳下の男の子…よく一緒に遊んだっけ…♪
…お父さんがいなくなって…引っ越しするまでは…

悟｢ほんと、久しぶり〜!!10年ぶりくらい？…しかし…A、変わってないね…｣

…そう言って、イタズラっぽく微笑む悟くん。

A｢…悟くんは、おっきくなったね〜…｣

昔はあたしの後を追いかけてたちっちゃい子供だった彼を、思わず見上げる…
なんだか…おっきくなった弟を見つめる、お姉ちゃんみたいな気持ち…♪

悟｢…子供扱い…するなよなっ…｣

ちょっと怒ったようにほっぺを膨らます姿は、やっぱり昔と変わっていなくて…あたしは思わず微笑んだ…

悟｢えっ、このへんに住んでんの？仕事、何してる？おばさんは、元気？｣

次から次へと出てくる質問に、あたしは吹き出してしまう…
よく喋るとこも、変わってない♪

A｢普通のOLしてるよ。会社がこの近くなの…お母さんも元気だけど、今は一人暮らししてるんだ…｣
笑いながら、一通り質問に答えるあたし…

…あたしの言葉に、悟くんは嬉しそうに微笑んだ。

悟｢そっか!!おばさんも、元気なんだ♪良かった♪｣

…悟くん…うちのお母さんのこと、なぜか大好きだったんだよね〜…笑

懐かしくて、口元が綻ぶあたしを見て…悟くんはちょっと俯きがちに、呟いた…

悟｢…ほら、おじさんがさ…亡くなってから、引っ越ししただろ…どーしてるかなって、気にしてたんだ…｣

…言葉に詰まるあたしを見て…悟くんは慌てて問いかける…！

悟｢…あっ！なに、A、タバコ吸うの!?｣

ショーウィンドウに飾られたライターを指差し意外そうな顔であたしを見つめる悟くん。

A｢えっ!?…あ、ううん…あたしのじゃ、ないの…｣

…大好きな、健太くんに…♪
その言葉は飲み込んで…←当たり前です…笑
ちょっと照れたように、あたしは俯いた…

悟｢…ひょっとして…彼氏…とか？｣

A｢…うん…♪｣

悟｢…へぇ………A…今度さ、また会おうよ…昔の話しもしたいし…｣

…悟くんの言葉に、あたしは返事をしてまた会う約束をした。弟みたいな存在…そうとしか、思ってなかったから…

54話 健太→←52話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す