幸せはきっと僕の手の中に…2

75話 ページ26

A｢けっ、健太くん…!?」

…あたしの目線のすぐ下に、健太くんのドキドキするくらい艶っぽく輝く瞳…
…掴まれた手が一瞬にして熱くなるのを感じて…あたしは思わず目を伏せた…

…もぉ…さっきまでは子供みたいに可愛かったのに…こんな色っぽい顔…
…心臓…もたないよ…

健太くんの艶っぽく輝く、濡れた瞳に見つめられて…あたしの心臓はドキドキと音をたてる…

…俯くあたしの顔を下から覗きこみ、健太くんはポツリと呟いた…

健太｢…で、誰が…見た目と違って、優しいって…？｣

………ん？…どこかで、聞いたフレーズ…

…見た目と違って…優しい…って…!?
…それって…もしかして…

あたしが悟くんに言った言葉…!?

A｢なっ、なんで、知ってるのっ!?」

…顔を赤くしたり、青くしたりして慌てるあたしを見て…健太くんは身体を半分起こしながら呟いた…

健太｢なんでじゃねーよ…お前こそ…なんで俺に言わねぇの？｣

A｢…そ、それは…」

口ごもるあたしに、健太くんはちょっとため息をつきながら…話し出す…

健太｢…あの、サトルってゆーやつ…俺んとこ…来たよ…」

A｢さっ、悟くんがっ!?」

…なんで健太くんのとこに!?
…あたし、ちゃんと…断ったのに…

健太｢…こんな俺より、自分の方がお前には合ってる…よーなこと、言ってたよ…」

…やっぱり…健太くんには、ちゃんとあたしから話すべきだったんだ…
結局…健太くんにイヤな思い…させちゃったんだ…

…ただ…申し訳なくて…黙って俯くあたし…

健太｢…まぁ、アイツの気持ちも分かるし…それに…｣
そう呟きながら…健太くんはちょっと強引に、あたしの身体を抱き寄せる…
健太くんの力強い腕に引き寄せられて…優しく抱きしめられるあたし…！

目の前には、健太くんの日に焼けた首筋と、シルバーのネックレス…

健太｢…最初は、俺も…不安だった…俺より、あのサトルって奴の方が…お前には合うんじゃないかって…｣

…少し掠れたような、囁くような声で健太くんは呟く…

健太｢…でも…やっぱ…ダメなんだよなぁ…俺………お前じゃねぇと……｣

A｢…えっ…？｣

…思いがけない健太くんの言葉に…あたしはびっくりして顔をあげるけど…！

健太｢顔…見んなよっ！恥ずかしいからっ!!｣
そう言いながら、あたしの頭を抱える健太くん…！

健太｢…その…だから…言っといたからっ!!……俺の…だから…って…｣

…健太くんの言葉に…時間が…止まった気がした…

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