幸せはきっと僕の手の中に…2

72話 ページ23

…この間は…楽しかったなぁ…♪

…いつもと同じ、仕事の帰り道…軽い足どりで家に向かいながら…一週間前…子供の頃を過ごした懐かしい街を健太くんと二人、並んで歩いたことを思い出す…

…久しぶりに行ったけど…街並みも、あの公園も…変わってなくて…ちょっと、ホッとした…

…それに…少しでも…健太くんに、知ってもらえて…
…良かった…

…公園のベンチに座って、ただ子供の頃の話し…お父さんの話しをしてるだけだったけど…隣に健太くんの温もりを感じてると…なんだかとっても落ち着いて…特別な時間…だったなぁ…

それに、黙ってあたしの話しを聞いてくれる健太くんは…やっぱりとっても優しくて…

…ポツリ、ポツリと呟くように話すあたしの顔を…時折覗きこむ…優しく揺れる眼差し…そっと寄り添ってくれるあったかい肩の温もりが、たまらなく心地よくて…

…隣に健太くんがいてくれる…ってだけで…ドキドキもするけど…とっても…安心…するの…

…やっぱり、あたしは…健太くんじゃなきゃ…ダメなんだ…って、強く…感じたの…

…健太くんが…大好き…

………だけど…

…悟くんのこと…悟くんに告白されたこと…
言えなかった…
…健太くんに、余計な心配…かけたくないもの…
でも…健太くんに隠し事なんて、ほんとはしたくない…

…思わず、大きなため息をつくあたし…
軽い足どりで、家に向かっていたはずのあたしの足は…いつのまにか、どんよりと重くなっていた…笑←忙しい人ですね…笑

でも！こんなこと考えてちゃ、ダメダメ!!
…もーすぐ、健太くんの誕生日なんだから…！
…健太くんに、心配かけないように楽しく過ごさないと…！

…来週は、とうとう健太くんの誕生日…
健太くんが生まれてきた…特別な日…

『誕生日なんて、別にいつも祝ってねーよ…』

そう言って、照れたようにクスリと笑う健太くんのやんちゃな笑顔を思い出す…

…健太くんと出会って、初めての誕生日…
だから…めいいっぱい…お祝い、してあげたいの…
健太くんには…内緒だけど…♪

…健太くんの好きなものを作って、ケーキを焼いて…お部屋も、かわいくデコレーションしよう…♪

…健太くん…喜んでくれると…いいな…♪

…そんなワクワクした気持ちを胸に、あたしは家に帰って、一大イベントの準備を開始した…

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