幸せはきっと僕の手の中に…2

70話 健太 ページ21

守｢矢野くん！一緒に帰ろう♪｣

…仕事を終えて、楽屋で着替える俺に笑顔で話し掛ける守。

守｢帰り、ラーメン食べて帰ろうよ〜♪｣

健太｢…ばーか…真鍋さんに怒られんだろ…ダメだよっ！」

俺がそう言うと、守はほっぺを膨らませて…恨めしそうに俺に問いかける…

守｢…そんなこと言って…ほんとはこの後、あの彼女とデートなんだ〜!!」

健太｢ば、ばかっ！ち、ちげーよっ!!｣

突然、Aのことを言われて…思わず声を荒げる俺に…また守はイジワルそうに微笑んだ…←笑
…最近の守……やっかいだな…笑

守｢…いつになったら、僕に紹介してくれるのかなぁ…」
その言葉に、またドキリとする俺…

…ほんとはこの間…局に来てたんだけど…←笑
…守に見つかんなくて…良かった…笑

健太｢…紹介なんか、するかっ!!」

ポケットに手を突っ込んで、楽屋を出る俺の後を守はスキップをして着いてくる。

守｢前に、チラッと見たけど…ちっちゃくて可愛い感じの子だよね♪どんな子なの？｣

健太｢…ど、どんなって…」

…まぁ…可愛いって言われて…悪い気は…しないよな…実際、すげー可愛いし…←オーイ…笑

…一週間前…子供の頃過ごしてた街を案内してくれたA…

『あたしのコト…健太くんに少しでも、知ってほしくて…』

……嬉し、かった…

俺の知らないAの時間…埋めることは、できねーけど…
…ちゃんと、俺の気持ちを分かってくれてんだ…って、感じたから…

…俺のことを一番に分かってくれて…俺のことを一番に考えてくれる…
そんな優しいAが…好き、だ…

…そう思いながら、俺はポツリと呟いた…

健太｢…優しい…やつだよ…｣

ふと、出てしまった言葉に…恥ずかしくなって、思わず額に手をやると…
守は心底、楽しそうに笑った。

守｢矢野くん…ノロケすぎ…♪｣

健太｢う、うるせー！お前が聞いたんだろっ!!」

…守に冷やかされながら、局の玄関を出ると…正面に、長身のスーツ姿の男が立っていて…
俺は思わず…脚を、止めた…

………アイツ……

…その男は、俺を見つけると軽く会釈をして歩いてくる…

守｢矢野くん…男の子にもモテるんだね♪｣笑

守の、的外れな呟きに(笑)
ちょっとため息をつきながら…俺もソイツの前に佇んだ…

健太｢…なんか、用？｣

悟｢Aから、聞いてます？ちょっと、話したいんですけど…｣

……だから、人の女…呼び捨てにすんじゃねーよ…

苛立つ気持ちを抑え…俺は黙って、頷いた…

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