69話 健太 ページ20
A「…それでね、ここが通ってた小学校…あっちはね…」
…Aは…ちっちゃい身体をめいいっぱい伸ばしながら、あっちこっちを指差して…楽しそうに、笑った。
…よっぽど、懐かしいのかな…
夢中になってる顔…カワイイ…笑
普段よりも、早足で歩くAの後ろをポケットに手を突っ込んで着いていく俺…
なんだか…保護者になった気分、だ…笑
A「あっ!健太くん!あそこ、よく遊んだ公園なの!…ちょっと、行っても…イイ?」
健太「…おう…」
嬉しそうに、振り向きながら首を傾げて俺に笑いかけるA…
そんな顔で、お願いされて…ダメだなんて…言えるかよ…←重症ですね…笑
…ブランコに滑り台、砂場にジャングルジム…公園には定番の遊具が並んでいる。
俺達は、近くにあるベンチに腰掛けて…遊具で遊ぶ子供達をぼんやり眺めてた…
A「…ほんと、懐かしい…」
…追いかけっこをする男の子と女の子を見て、眩しそうに目を細めるAに…俺はちょっと、複雑な気持ちになった…
…あの…サトルって奴とも…ああして遊んでたってことか…
…思い出したくもない顔が浮かんできて…
俺は思わず、首をブンブンと横に振る…←笑
A「…ど、どーしたの!?」
健太「…な、なんでもねーよ…!」
俺の顔を覗きこみ、Aはフンワリと笑うと…囁くように、そっと話し出した…
A「…よくね、お父さんとこの公園で遊んだの…ブランコ押してもらったり、砂遊びしたり…いつも、暗くなるまで遊んでた…凄く…楽しくて……だから、お父さんが亡くなっても…暫くは、全然信じられなくて…」
今にも消え入りそうな声に、俺は胸が締め付けられそうになって…思わずAの華奢な手を…ギュッと握りしめた…
…そんな寂しそうな顔…するなよ…
ちょっと、びっくりしたように俺を見つめる大きな瞳…
その瞳が…フンワリと俺に笑いかける…!
A「…あの時は…寂しかった、けど…今は…寂しくないよ…」
…その、小さな手が俺の手を優しく握り返す…
公園のベンチに座りながら、Aは子供の頃の話しをたくさんしてくれた…
他愛もない話しかもしれないけど…
俺の知らなかった子供の頃のAが見えたようで…なんだか、胸の奥が熱くなる…
…俺は、改めて…強く、思ったんだ…
何があっても…俺だけは…Aのそばに、いるんだ…って…
細くて小さい…Aの手…
その手を離さないように、俺はもう一度強く握りしめた…
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青(プロフ) - さおりさん» さおりさん♪イッキ読みしてくれて(笑)ありがとうございます♪ほんっとに嬉しいです♪続編、そろそろ書きたいと思います(*^O^*)待ってて下さいね!! (2014年1月10日 23時) (レス) id: 0985fba5cd (このIDを非表示/違反報告)
さおり(プロフ) - 読んでてすごくキュンキュンしました/////イッキ読みしちゃいましたw続編楽しみにしてます!! (2014年1月9日 0時) (レス) id: 2d6b95c3ce (このIDを非表示/違反報告)
たなまる(プロフ) - はい!楽しみにしてます!( ´ ▽ ` )ノ (2013年8月4日 9時) (レス) id: f774d04b81 (このIDを非表示/違反報告)
青(プロフ) - たなまるさん» たなまるさん♪ありがとうございます☆とっても嬉しいです(*^O^*)続き、書く予定です…もうちょっとしたら(笑)待ってて下さいね~!! (2013年8月3日 14時) (レス) id: 0985fba5cd (このIDを非表示/違反報告)
たなまる(プロフ) - 本当にこの作品大好きです!是非続きが見たいです! (2013年8月3日 0時) (レス) id: f774d04b81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青 | 作成日時:2013年1月13日 12時