幸せはきっと僕の手の中に…2

68話 ページ19

…今日は、久しぶりに健太くんと外でデート…
♪

いつも…仕事帰りに夕飯を食べたり、ウチに来ちゃったりして…(笑)
なかなか二人で外出する機会がないからって…健太くんが、誘ってくれた…♪

『…お前の好きなとこ…連れてってやるよ…』

そう言って、口の端をちょこっとあげて笑う…健太くんの笑顔を思い出す…

…健太くん…やっぱり…優しい…♪
…しかも…

『…お前と待ち合わせすると…ロクなことねーから、俺が迎えに行くまで…家にいろっ…！』

…なんて…笑
どれだけ心配性なのかなぁ…笑
…でも、凄く…嬉しいけど♪

久しぶりのデートで、着ていく服を迷いながら…あたしは思わず微笑んだ。

…でも…ひょっとして…気に、してるのかなぁ…悟くんのコト…
…そしたら…ますます…言えない、な…
……悟くんに…告白された…なんて…

お気に入りのワンピースに袖を通しながら、あたしはぼんやりと考える…

A｢…健太くんに、心配…かけたくないもの…」

鏡の前で、そう呟くと…丁度、インターフォンが鳴り響いた…！
バッグを持って、急いでドアを開ける…！

健太｢…おう…｣

A｢おはよう♪健太くんっ♪｣

健太｢…お前…朝から、元気だなぁ…」

そう言って、ポケットに両手を入れて…クスリと笑う健太くん…

…その…照れたように笑う顔も、口の端をちょこっとあげて笑う顔も…大好き…

…だから…健太くんに、心配…かけたくない…

A｢だって…健太くんに会えて…嬉しいんだもん♪｣

…いつものように、健太くんの腕に掴まり…あたしはとびきりの笑顔で健太くんに微笑んだ…

健太｢…で、決まったのかよ？行きたいトコ…」

A｢うん！｣

健太｢どこ？｣

A｢まだ、内緒♪｣

あたしの言葉に、首を傾げる健太くんに構わず…あたし達は電車を乗り継ぎ…その場所へと、向かった…

…電車を乗り継ぐこと、一時間…

A｢…着いた〜！｣

健太｢…ここ？…なんだよ？｣

…駅のホームで、大きく手を伸ばしあくびをする健太くんに笑いながら…
あたしはポツリと呟いた…

A｢昔…住んでたトコ…お父さんと、お母さんと三人で……健太くんには…知ってほしいな…って思って…」

…健太くんが知らない、子供の頃のあたし…少しでもいいから…出会う前のあたしを…知ってもらいたくて…

…あたしの言葉に、びっくりしたように振り向く健太くん…でも、その瞳は…嬉しそうに、キラキラと…輝いていた…

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