検索窓
今日:16 hit、昨日:12 hit、合計:66,008 hit

67話 ページ18

悟くんは、あたしの肩を掴んだまま…目を伏せて、呟く…

悟「…なんで…俺じゃないんだよ…なんで…アイツなの?…俺のほうが、きっと、Aのこと…分かってるよ…」

そう言った悟くんの声が震えているようで………あたしはそっと、肩に置かれた悟くんの手に、自分の手を重ねた…

A「…悟くん…」
あたしの声に、悟くんは伏せていた顔をあげる…
あたしは…悟くんの手を肩から離し、ポツリと呟いた…

A「…ありがとう……ごめん、なさい…」


………自宅に着き…あたしは大きくため息をついた…
さっきまでの、悟くんとのコトを思い出す…
…あの後………

A「…子供のころ、いつも一緒に遊んでくれて…ありがとう…お父さんが亡くなった時も、励ましてくれて…ありがとう…悟くんがいたから…寂しく、なかったよ…」

悟「だったら…!」

…食い入るように、あたしを見つめる悟くんの瞳を…あたしも強い気持ちで見つめ返す…

A「でも…どうしてもダメなの…健太くんじゃなきゃ…ダメなの…」

あたしの言葉に、悟くんは…悲しそうに、再び目を伏せた…

A「確かに、ね…ちょっとぶっきらぼうだけど…ほんとは凄く、優しいの…あたしだけじゃなく…みんなのこと、ちゃんと考えてくれる人…外見じゃない…健太くんの内面が…あたしは……大好きなの…」

…一言一言、言葉を区切るように…噛み締めながら…あたしは、健太くんへの気持ちを悟くんに告白した…

A「…悟くんの気持ちは嬉しいけど…あたしにとって、大事な人は…健太くん…ただ一人だから…」

悟「…相変わらず…ハッキリ言うなぁ…笑」
そう言うと、悟くんは道に落とした鞄を拾い上げ…小さく笑った…

悟「…そんなに、アイツが好きなんだ…?」

A「…うん…!」

悟「…Aがアイツを思うほど、アイツがAのこと思ってなくても…?」

A「うん!」

…あたしが、健太くんを好きな気持ち…健太くんがあたしのことを好きって思ってくれる気持ち…大きさなんて、関係ない…
健太くんが好きって言ってくれるだけで…あたしは…幸せだから…

悟「…そこまで言われたら…敵わないや…俺だって、Aに嫌われたくないし、さ…」
…そう言って、あたしに背中を向けて、悟くんは帰っていった……

………

…健太くんに、言ったほうがイイのかな…

テーブルの上に置いてある…健太くんへの誕生日プレゼントを見つめ…あたしはまた、大きなため息を、ついた…

68話→←66話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (93 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
52人がお気に入り
設定タグ: , 大野智 , 矢野健太
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - さおりさん» さおりさん♪イッキ読みしてくれて(笑)ありがとうございます♪ほんっとに嬉しいです♪続編、そろそろ書きたいと思います(*^O^*)待ってて下さいね!! (2014年1月10日 23時) (レス) id: 0985fba5cd (このIDを非表示/違反報告)
さおり(プロフ) - 読んでてすごくキュンキュンしました/////イッキ読みしちゃいましたw続編楽しみにしてます!! (2014年1月9日 0時) (レス) id: 2d6b95c3ce (このIDを非表示/違反報告)
たなまる(プロフ) - はい!楽しみにしてます!( ´ ▽ ` )ノ (2013年8月4日 9時) (レス) id: f774d04b81 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - たなまるさん» たなまるさん♪ありがとうございます☆とっても嬉しいです(*^O^*)続き、書く予定です…もうちょっとしたら(笑)待ってて下さいね~!! (2013年8月3日 14時) (レス) id: 0985fba5cd (このIDを非表示/違反報告)
たなまる(プロフ) - 本当にこの作品大好きです!是非続きが見たいです! (2013年8月3日 0時) (レス) id: f774d04b81 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2013年1月13日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。