幸せはきっと僕の手の中に…

10話 ページ10

…それから、あたしと健太さんは何回かメールのやり取りをするようになった。

もっとも…メールをするのはいつもあたしの方で、健太さんはそれに答える感じ…。
それでも、きちんと返事を返してくれる健太さんはやっぱり優しくて…ますます、健太さんのこと…気になってしまう…←恋ですね…笑

…もともと、あんまり男の人と長く付き合ったこともないし…まして、自分からこんなにがんばってることだって…初めてなわけだし…

…自分の気持ちにちょっと、とまどいながらも…健太さんのことを考えてると、あったかい…ふんわりした気持ちになる…

…そんな、ある日のこと…

…あたしのケータイが騒がしく鳴り始める…！
職場で、ちょうど休憩中だったあたしはケータイを取り出して確認する。

…誰、だろ…？

次の瞬間…！…あたしは自分の目を、疑った…！
…だって、着信画面に映る名前は…

『着信中 矢野健太』

彼の…名前…!!

心臓の音が、自分にも聞こえるくらい…ドキドキと音をたてる…！
あたしは慌てて、電話にでた！

A｢もっ、もしもしっ!!｣
キンチョーして、声が裏返る…笑

健太｢……………俺…｣
…暫くの沈黙のあと、ちょっとぶっきらぼうな…でも、優しくて心地いい彼の声が、耳元に響く…

A｢けっ、健太さん!?｣

健太｢…お、おう…｣

…健太さんから電話してくれるなんて…夢…みたい…！

思わず、コーフン気味に健太さんに問いかけるあたし。

A｢ど、どーしたんですか!?…何か、あったんですか？｣

健太｢…実は、さ…就職、決まったんだ…それで…｣

A｢ほんとですかっ!?やったぁ〜!!…良かったじゃないですか〜!!おめでとうございます!!｣

…健太さん！就職決まったんだ…良かったぁ…♪

大騒ぎするあたしの声を聞いて、クスリと笑う…健太さんの息づかいが聞こえる…
その息づかいに、思わずドキッとしてしまうあたし…！←重症ですね…笑

そんなあたしの気持ちに、気づくはずもなく…健太さんは、ポツリと呟いた…

健太｢…それで、その…アンタには、報告しとこうと思って…メーワク…かけたし、さ…｣

…思いがけない健太さんからの言葉に、あたしの心臓は、掴まれたみたいにキュンとする…！

思わず、ケータイを掴む手に力が入る…！

A｢御祝い!!させて下さい!!…健太さんの、就職祝い…｣

…思うより先に、あたしの口は…勝手に、動いていた…

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