幸せはきっと僕の手の中に…

６話 ページ6

…こうして、あたし達二人は近くにあったオープンカフェに入り、遅めのランチをとることになった。

健太｢…灰皿、もらえる？｣
席に着くなり、カフェの店員さんに声をかける彼…
…ちょっと猫背で椅子に深く腰掛ける姿が、なんだかかっこよくて…ドキッとする…

…あたし達って、まわりから見たらどんな風に見えてるんだろう…
付き合ってる…みたいに見えるのかなぁ…

そんなことを思いながら、チラリと彼を見る。
…店員さんから灰皿を受け取り、彼はタバコに火をつけた…

…タバコをくわえる唇とライターを点ける、意外と細くてキレイな指先…きつく寄せられた形のいい眉と細められる瞳に、思わず…みとれてしまうあたし…

健太｢な…なんだよ…｣
そんなあたしの熱い視線(笑)に気づいたのか、彼はあたしを見つめる…！

…イタズラっ子みたいな、でもどこか…寂しげな輝きを放つ瞳…そんな彼の、不思議な瞳に見つめられて…
あたしは慌てて口を開いた。

A｢い、いえ！あ、あの…お名前、聞いてもいいですか？｣

健太｢…ああ…矢野…｣
あたしの方に、タバコの煙がこないように横を向きながら、彼はそっけなく答える。

…そんなちょっとした仕草にもドキッとしてしまうあたし…

…ほんと…意外と、優しいんだ…♪

A｢…矢野…さん…あの、下の名前は？｣

健太｢健太…｣

…矢野…健太さん、かぁ…
健太さん…♪

健太｢…で？そっちは…？｣
健太さんに問いかけられ、ちょっと動揺してしまうあたし…←落ち着いて下さい(笑)

(名前 )｢あっ、A…です…｣

健太｢ふーん…で、本当にいいの？奢ってもらって？｣
タバコの灰を、灰皿の角で器用に落としながら…健太さんはちょっと申し訳なさそうに呟く…

A｢はい！もちろんです！あたしが健太さん…あっ！や、矢野さんの人生…台無しにしちゃったわけだし…！｣
両手を握りしめて話すあたしに、健太さんは飲んでいたお水を吹き出す…！笑

健太｢ぶっ!!…じ、人生…台無しって…確かにそう言ったけどさ…間に、受けすぎだっつーの…笑｣

A｢え？…あたし、何か可笑しいこと言いました？｣
健太さんの言葉の意味が分からず、首を傾げるあたし…

健太｢…いや、別に(笑)…それと…健太でいいよ…｣
そう言って、口の端をあげてちょっと微笑む健太さんの意外に可愛らしい笑顔に、胸のドキドキが収まらない…！

…その後、運ばれてきたランチ食べながら…あたしは夢みたいな…楽しい時間を過ごした…。

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