幸せはきっと僕の手の中に…

45話 ページ45

…次の日…あたしはヒドイ顔で会社に向かった…
泣きすぎたせいで、頭も痛いし、目が重い…
仕事をしていても…健太くんとアカネさんの顔が交互に浮かんできて…
あんなに泣いたのに…また、目頭が熱くなる…

…結局…仕事は全然身に入らないまま、お昼をむかえた…
でも…食欲なんか、あるはずない…

あたしは一人…会社の屋上でボーッとしていた…すると…！
突然、ポケットに入れたケータイが鳴り出す…！

…着信画面には…大好きだけど…今は、ツライ…彼の名前…

…健太…くん…

…ケータイは暫く鳴って…止まった…

…今、電話にでても…たぶん上手く、話せないよ…

ほんとは嬉しいはずの、健太くんからの連絡…あたしは切なくなって、ケータイを握りしめた…途端！
…再びケータイが音をたてる…！

…今度は…メール…？

『今日、何してる？』

…健太くんからのメール…
結局、返信できないまま…昼休みは終わってしまった…

そのまま仕事が終わる時間まで、あたしはモヤモヤした思いを吹っ切ることが、できなかった…

…仕事を終えて、一人俯きながら歩くあたし…
知らない間に、ため息だけがこぼれる。

…自分がこんな風になるなんて…思いも、しなかった…のんびりして、ボーッとしてる性格のあたしなのに…こんなに、嫉妬深いなんて…これじゃ、健太くんに…

A｢…嫌われちゃう…｣

そう口に出したら…また涙が溢れそうになって、あたしは慌てて空を見上げた…

…こんなに、泣き虫じゃなかったのに…
小さい時、お父さんがいなくて…寂しくても…絶対泣かないって決めてた…
泣くよりも、笑ってる方が…幸せになれるからって思ってたから…

…でも、こんな時は…どーしたらいいの…
…健太くんのコト…好きすぎて…辛い…よ…

……家の前に着き、あたしは何気なく…通りの向こう側に目をやった…
その、視線の先には…

A｢けっ、健太くんっ!?｣
思わず、大声で叫んでしまうあたし…！←笑

あたしの大声に気付き、健太くんは腰かけていたガードレールからゆっくりと立ち上がる…！
ポケットに両手を入れて、ちょっと背中を丸めて歩いてくる健太くん…

A｢どっ、どーしたの？突然…！｣

健太｢…いや、その…電話もメールも返事、なかったから…なんか、あったのかと思って…｣

…心配して…来てくれたの…!?

照れたように、ちょっと笑って俯く健太くんに…
抑えていたあたしの涙は…堰をきったように、溢れだした…

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