幸せはきっと僕の手の中に…

40話 健太 ページ40

…すげぇ…ドキドキ…した…

駅までアイツを送った帰り道、土手を歩きながら俺はさっきまでのことをぼんやりと思い出す…

今だって、ドキドキしすぎて…送っていく途中、何話したんだか全然覚えてねーや…笑

『健太くんのコトなら、なんでも知りたい…』

……アイツが…そんな無邪気な顔で…かわいすぎる笑顔で…そんなこと、言うから…

止められるわけねぇよ…俺の気持ち…

一度抱きしめたら、もう止められないって…

…アイツの、ちっちゃくて…柔らかい身体…鼻先をかすめるふんわりした…いい匂い…
…おまけにあんな潤んだ瞳で見つめられたら…
我慢できなかった…

…柔らかかったなぁ…アイツの、唇…

ぼんやりとアイツとのキスを思い出し、俺は赤くなって思わず唇に手をやる…！

…キスする度に、俺の服をギュッと掴む小さな手に…
…キスする度に、唇から漏れる吐息まじりの甘い声に…
俺はもう………限界……←笑

ベッドがあんのに、カーペットの上に押し倒すなんて………がっつきすぎ…！笑

……それなのに……ねーちゃん!!←笑
タイミング、良すぎだろっ!?
……せっかく、いいトコロ…だったのに…←コラコラ！笑

……まぁ、でも…いっか♪

親父とねーちゃん、それにかっちゃん…みんなで鍋を囲んでる時のアイツの顔…楽しそうだった…
アイツが笑ってると、俺まで幸せな気持ちになれる…
それに…アイツの言ってくれた言葉…

………

健太父｢Aさん！遠慮することないから、たくさん食べなさい！｣

A｢ハイ♪｣

健太父｢しかし、こんなワケわかんねぇ仕事してる、うちの健太でいいのかい？｣

A｢ワケ…分からなくないですよ…健太くんのお仕事はとっても素晴らしい職業だと思いますし、あたしは…そんな健太くんを、尊敬…しちゃいます…♪｣

………

満面の笑みで、親父にビールをつぎながらそう言ったアイツに…俺は正直、心臓を鷲掴みされたような気持ちになった…！

…そんなにはっきり言われてちょっと恥ずかしかったけど……すげぇ…嬉しかったよ…

…まぁ、その後、ねーちゃんとかっちゃんに冷やかされて大変だったけど…笑

でも、思ったんだ…
俺…やっぱ…すげぇ好きなんだって…

…ちょっとボーッとしてて、ちっちゃくて、かわいくて…バカがつくほど正直な…アイツ…

…ずっと、俺がそばにいてやりたい…
いや…俺がそばに…いてほしい…

…胸の奥がくすぐったくなるような気持ちで、俺は歩きながら…一人、微笑んだ…

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